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F12012 レギュレーション」(2012/03/20 (火) 13:30:36) の最新版変更点

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基本ルール F1とは 『F1』とは、「Formula One(フォーミュラ・ワン)」の略である。フォーミュラは、「規格」や「形式」などを意味する英語であり、定められた規格に沿って製造されたクルマで戦うレースがF1だ。 一般的にフォーミュラカーは、屋根やドアのない1人乗りのレーシングカーで、タイヤがむき出しになっているものを指す。決められたルールの中で、どうすればより速く走れるのか、世界でもトップレベルのエンジニアが日夜、研究を重ねている。 現在はクルマの寸法や素材についても細かく規定されており、開発の自由度は低くなっているが、参戦する自動車メーカーにとっては技術力や優れたブランドイメージを世界に発信する絶好の場になるため、トップチームは数百億円というばく大な年間予算でF1を戦っている。 エンジンのルール 現在のF1で使用が許されるエンジンは、排気量2,400ccのV8エンジン。V8とは、エンジンの形式を示すものであり、合計8つのシリンダーが、Vの字に左右4つずつ配列されている。エンジンの開発には、ばく大な研究費用がかかるため、予算高騰を防止する目的で、現在エンジンの開発は凍結されている状態だ。 2,400ccのエンジンというと、私たちが普段乗っている車と大差がないと感じるかもしれない。しかし、中身はまったくの別物である。エンジンのパワーを示す馬力は極秘情報のため、各メーカーとも正確な数字を公開していないが、700馬力を超えていると言われる。 一般の乗用車が100から200馬力、大型の高級車でも300馬力程度。それと比べると、F1のエンジンがどれほど大きなパワーを生み出しているのか分かるのではないだろうか。 また、1シーズンあたりに1人のドライバーが使用できるエンジンの数は8基に制限されている。そのため、レース終盤などには無理に速いペースで走らず、エンジンを温存する場面が見られることもある。なお、故障などによって規定数以上のエンジンを使用した場合、ペナルティーとして決勝のスタート順位が降格される。 タイヤのルール F1で使用されるタイヤは、大きく分けて2種類ある。主に路面が乾いているときに使用されるドライタイヤと、路面がぬれているときに使用されるウエットタイヤだ。ウエットタイヤは、乗用車のタイヤ同様、溝が入っているが、ドライタイヤは溝の入っていない「スリックタイヤ」になっている。 スリックタイヤは、タイヤの溝をなくすことでタイヤと路面の接地面を大きくし、よりタイヤを地面に食いつかせるためのもの。1回のレースに、2種類のドライタイヤ(軟らかめと硬め)が持ち込まれ、ウエットタイヤを使用しない限り、決勝中に両方のタイヤを使用しなければならない。 雨などで路面がぬれている場合には、ウエットタイヤが使用される。しかし、予選やレースの最中に雨が降り始めた場合、どのタイミングでドライタイヤからウエットタイヤに交換するのかが重要になる。1周あたりコンマ数秒の差の中で戦うF1だが、路面の状況に合っていないタイヤで走ってしまうと、1周で数秒の差が出ることもある。また、雨がやみ、路面が乾き始めたときもドライタイヤへ交換するタイミングが重要になる。 そして、1回のレース週末で使用できるタイヤの数は制限されている。そのため、数の限られたタイヤを効率よく使用しなければならない。 車体のルール F1を走るクルマは、どれも同じような外見になっているが、これは各パーツの位置や寸法などが、細かく規定されているためだ。F1は、空気の力を利用し、地面にクルマを押しつけることでコーナーを速く走れる。その際、できるだけ空気抵抗を小さくしながらも、できるだけ大きな力でクルマを地面に押しつけられるように、各チームのエンジニアが知恵を絞っている。 F1のクルマは、ムダを省いて設計されているため、ドライバーが座るコックピットも非常に小さく造られている。しかし、ドライバー保護のため安全面も厳しく規定されており、1994年のアイルトン・セナを最後に、F1ではレース中にドライバーが死亡する事故は起きていない。 ルールの抜け穴を利用した独創的なアイデアが登場することもあるが、これが本当に効果的だった場合、ライバルチームもすぐに同じようなアイデアを採用する。こういった技術をめぐる各チームのせめぎ合いも、F1の魅力の1つと言える。 F1では、毎年ルールが変化している。2012年に向けても、いくつかの大きなルール変更がある。 安全性向上のため、ノーズの規定を変更 クラッシュ時の安全性を向上させるため、ノーズ先端の高さを昨年までよりも低くするよう規定された。しかし、チーム側からの要望により、コックピットのあるモノコックの高さは維持されたことから、多くのチームがノーズとモノコックを接続するバルクヘッド付近に段差を作った「段差ノーズ」を採用し、この新規定に対応した。 だが、マクラーレンはノーズに段差を作らず、ノーズを緩やかな曲面にすることで新規定に対応。「段差ノーズ」は見た目が悪いと言われる一方、パフォーマンス面を考えると避けられない処理とされており、マクラーレンの手法が結果に結びつくのか注目されている。 ブロウンディフューザーの禁止 クルマを地面へ押し付けるダウンフォースを発生させる車体後部のパーツ、ディフューザーへ高温の排気を流し、ディフューザーの効率を向上させる「ブロウンディフューザー」が2011年のF1で流行になった。 しかし、2012年には排気口の位置などを厳密に規定することでこの技術を禁止し、排気を空力的に利用することを防いでいる。また、2011年はアクセルを踏んでいない時にもディフューザーへ排気を流すため、アクセルを踏まなくても排気口からガスを流す技術を多くのチームが採用していたものの、これも禁止となった。 セーフティカー導入時のルール変更 2012年からは、セーフティカー導入時に周回遅れのクルマがセーフティカーを抜いて周回遅れを取り戻し、隊列の後方につくことが許可される。 これは、レース再開時に周回遅れのクルマが上位グループのバトルを妨げないようにするためのルール。これにより、レース再開時には順位通りに隊列が並ぶこととなり、上位陣が周回遅れを挟んでバトルすることを回避できる。 シーズン中のテスト復活 近年のF1では、シーズン中にサーキットを実走するテストが禁止されていたが、2012年にはシーズン中のテストが復活する。以前はシーズン中にもレースとレースの合間にテストを行うことが一般的だったが、コスト削減を目的にシーズン中のテストが禁止となっていた。 ルールでは、3日間のテストを1回行うことが許可されており、5月1日から3日にかけて、イタリアのムジェロ・サーキットにおいて、合同テストという形で実施することが予定されている。第4戦バーレーンGPと第5戦スペインGPの間に実施されることになる。
基本ルール F1とは 『F1』とは、「Formula One(フォーミュラ・ワン)」の略である。フォーミュラは、「規格」や「形式」などを意味する英語であり、定められた規格に沿って製造されたクルマで戦うレースがF1だ。 一般的にフォーミュラカーは、屋根やドアのない1人乗りのレーシングカーで、タイヤがむき出しになっているものを指す。決められたルールの中で、どうすればより速く走れるのか、世界でもトップレベルのエンジニアが日夜、研究を重ねている。 現在はクルマの寸法や素材についても細かく規定されており、開発の自由度は低くなっているが、参戦する自動車メーカーにとっては技術力や優れたブランドイメージを世界に発信する絶好の場になるため、トップチームは数百億円というばく大な年間予算でF1を戦っている。 エンジンのルール 現在のF1で使用が許されるエンジンは、排気量2,400ccのV8エンジン。V8とは、エンジンの形式を示すものであり、合計8つのシリンダーが、Vの字に左右4つずつ配列されている。エンジンの開発には、ばく大な研究費用がかかるため、予算高騰を防止する目的で、現在エンジンの開発は凍結されている状態だ。 2,400ccのエンジンというと、私たちが普段乗っている車と大差がないと感じるかもしれない。しかし、中身はまったくの別物である。エンジンのパワーを示す馬力は極秘情報のため、各メーカーとも正確な数字を公開していないが、700馬力を超えていると言われる。 一般の乗用車が100から200馬力、大型の高級車でも300馬力程度。それと比べると、F1のエンジンがどれほど大きなパワーを生み出しているのか分かるのではないだろうか。 また、1シーズンあたりに1人のドライバーが使用できるエンジンの数は8基に制限されている。そのため、レース終盤などには無理に速いペースで走らず、エンジンを温存する場面が見られることもある。なお、故障などによって規定数以上のエンジンを使用した場合、ペナルティーとして決勝のスタート順位が降格される。 タイヤのルール F1で使用されるタイヤは、大きく分けて2種類ある。主に路面が乾いているときに使用されるドライタイヤと、路面がぬれているときに使用されるウエットタイヤだ。ウエットタイヤは、乗用車のタイヤ同様、溝が入っているが、ドライタイヤは溝の入っていない「スリックタイヤ」になっている。 スリックタイヤは、タイヤの溝をなくすことでタイヤと路面の接地面を大きくし、よりタイヤを地面に食いつかせるためのもの。1回のレースに、2種類のドライタイヤ(軟らかめと硬め)が持ち込まれ、ウエットタイヤを使用しない限り、決勝中に両方のタイヤを使用しなければならない。 雨などで路面がぬれている場合には、ウエットタイヤが使用される。しかし、予選やレースの最中に雨が降り始めた場合、どのタイミングでドライタイヤからウエットタイヤに交換するのかが重要になる。1周あたりコンマ数秒の差の中で戦うF1だが、路面の状況に合っていないタイヤで走ってしまうと、1周で数秒の差が出ることもある。また、雨がやみ、路面が乾き始めたときもドライタイヤへ交換するタイミングが重要になる。 そして、1回のレース週末で使用できるタイヤの数は制限されている。そのため、数の限られたタイヤを効率よく使用しなければならない。 車体のルール F1を走るクルマは、どれも同じような外見になっているが、これは各パーツの位置や寸法などが、細かく規定されているためだ。F1は、空気の力を利用し、地面にクルマを押しつけることでコーナーを速く走れる。その際、できるだけ空気抵抗を小さくしながらも、できるだけ大きな力でクルマを地面に押しつけられるように、各チームのエンジニアが知恵を絞っている。 F1のクルマは、ムダを省いて設計されているため、ドライバーが座るコックピットも非常に小さく造られている。しかし、ドライバー保護のため安全面も厳しく規定されており、1994年のアイルトン・セナを最後に、F1ではレース中にドライバーが死亡する事故は起きていない。 ルールの抜け穴を利用した独創的なアイデアが登場することもあるが、これが本当に効果的だった場合、ライバルチームもすぐに同じようなアイデアを採用する。こういった技術をめぐる各チームのせめぎ合いも、F1の魅力の1つと言える。 F1では、毎年ルールが変化している。2012年に向けても、いくつかの大きなルール変更がある。 安全性向上のため、ノーズの規定を変更 クラッシュ時の安全性を向上させるため、ノーズ先端の高さを昨年までよりも低くするよう規定された。しかし、チーム側からの要望により、コックピットのあるモノコックの高さは維持されたことから、多くのチームがノーズとモノコックを接続するバルクヘッド付近に段差を作った「段差ノーズ」を採用し、この新規定に対応した。 だが、マクラーレンはノーズに段差を作らず、ノーズを緩やかな曲面にすることで新規定に対応。「段差ノーズ」は見た目が悪いと言われる一方、パフォーマンス面を考えると避けられない処理とされており、マクラーレンの手法が結果に結びつくのか注目されている。 ブロウンディフューザーの禁止 クルマを地面へ押し付けるダウンフォースを発生させる車体後部のパーツ、ディフューザーへ高温の排気を流し、ディフューザーの効率を向上させる「ブロウンディフューザー」が2011年のF1で流行になった。 しかし、2012年には排気口の位置などを厳密に規定することでこの技術を禁止し、排気を空力的に利用することを防いでいる。また、2011年はアクセルを踏んでいない時にもディフューザーへ排気を流すため、アクセルを踏まなくても排気口からガスを流す技術を多くのチームが採用していたものの、これも禁止となった。 セーフティカー導入時のルール変更 2012年からは、セーフティカー導入時に周回遅れのクルマがセーフティカーを抜いて周回遅れを取り戻し、隊列の後方につくことが許可される。 これは、レース再開時に周回遅れのクルマが上位グループのバトルを妨げないようにするためのルール。これにより、レース再開時には順位通りに隊列が並ぶこととなり、上位陣が周回遅れを挟んでバトルすることを回避できる。 シーズン中のテスト復活 近年のF1では、シーズン中にサーキットを実走するテストが禁止されていたが、2012年にはシーズン中のテストが復活する。以前はシーズン中にもレースとレースの合間にテストを行うことが一般的だったが、コスト削減を目的にシーズン中のテストが禁止となっていた。 ルールでは、3日間のテストを1回行うことが許可されており、5月1日から3日にかけて、イタリアのムジェロ・サーキットにおいて、合同テストという形で実施することが予定されている。第4戦バーレーンGPと第5戦スペインGPの間に実施されることになる。

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