尊厳死宣言公正証書

尊厳死宣言公正証書
(日本公証人連合会ホームページより転載)
http://www.koshonin.gr.jp/ji.html

1 意義
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公証人は、五感の作用により直接見聞した事実を記載した「事実実験公正証書」を作成することができます。
事実実験は、裁判所の検証に似たもので、その結果を記載した「事実実験公正証書」は、
裁判所が作成する「検証調書」に似たものであり、証拠を保全する機能を有し、
権利に関係のある多種多様な事実を対象とします。
例えば、特許権者の嘱託により、特許権の侵害されている状況を保全するため、
その状況を記録した事実実験公正証書を作成する場合や、
相続人から、相続財産把握のため被相続人名義の銀行の貸金庫の中身を点検・確認してほしいとの嘱託を受け、
貸金庫を開披し、その内容物を点検する事実実験公正証書を作成する場合もあります。
また、過剰な延命治療を打ち切って、自然の死を迎えることを望む「尊厳死宣言公正証書」を作成する例も出てきています。

2 尊厳死宣言公正証書
(1)尊厳死宣言とは
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 「尊厳死」とは、一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、
人間としての尊厳を保たさせつつ、死を迎えさせることをいう。」と解されています。
近代医学は、患者が生きている限り最後まで治療を施すという考え方に忠実に従い、
長らく、1分でも1秒でも生かすべく最後まで治療を施す治療が行われてきました。
しかし、延命治療に関する医療技術の進歩により、患者が植物状態になっても長年生きている実例などがきっかけとなって、
単に延命を図る目的だけの治療が、果たして患者の利益になっているのか、
むしろ患者を苦しめ、その尊厳を害しているのではないかという問題意識から、
患者本人の意思、すなわち、患者の自己決定権を尊重するという考えが重視されるようになってきました。
近時、我が国の医学界などでも、「尊厳死」の考え方を容認するようになり、
また、過剰な末期治療を施される近親者に物心両面から多大な負担を強いるのではないかという懸念から、
自らの考えで尊厳死に関する公正証書作成を嘱託する人も出てくるようになりました。
「尊厳死宣言公正証書」とは、嘱託人が自らの考えで尊厳死を望む、
すなわち延命措置を差し控え、中止する旨等の宣言をし、
公証人がこれを聴取する事実実験をしてその結果を公正証書にするものです。
  ところで、尊厳死宣言公正証書が作成された場合でも、
医療現場では、担当医師はそれに必ず従わなければならないとまでは未だ考えられておらず
担当医師の医学的判断に委ねられていますが,実務の体勢としては、
医師は、自己決定権に基づく患者の指示が尊重され、尊厳死を容認していると言えます。

(2)文例
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(2)文例
  (文例:日本公証人連合会ホームページの登載例)

               尊厳死宣言公正証書

 本公証人は、尊厳死宣言者○○○○の嘱託により、
平成○○年○月○日、その陳述内容が嘱託人の真意であることを確認の上、
宣言に関する陳述の趣旨を録取し、これを証書に作成する。

第1条 私○○○○は、私が将来病気に罹り、それが不治であり、
かつ、死期が迫っている場合に備えて、
私の家族及び私の医療に携わっている方々に以下の要望を宣言します。

1 私の疾病が現在の医学では不治の状態に陥り既に死期が迫っていると
担当医を含む2名以上の医師により診断された場合には、
死期を延ばすためだけの延命措置は一切行わないでください。
2 しかし、私の苦痛を和らげる処置は最大限実施してください。
そのためには、麻薬などの副作用により死亡時期が早まったとしてもかまいません。

第2条 この証書の作成に当たっては、あらかじめ私の家族である次の者の了解を得ております。
         妻   ○ ○ ○ ○   昭和   年 月  日生
         長男  ○ ○ ○ ○   平成   年 月  日生
         次男  ○ ○ ○ ○   平成   年 月  日生

私に前条記載の症状が発生したときは、医師も家族も私の意思に従い、
私が人間として尊厳を保った安らかな死を迎えることができるよう御配慮ください。

第3条 私はこの宣言による要望を忠実に果たしてくださる方々に深く感謝申し上げます。
そして、その方々が私の要望に従ってされた行為の一切の責任は、私自身にあります。
警察、検察の関係者におかれましては、私の家族や医師が私の意思に沿った行動を執ったことにより、
これら方々に対する犯罪捜査や訴追の対象とすることのないよう特にお願いします。

第4条 この宣言は、私の精神が健全な状態であるときにしたものであります。
したがって、私の精神が健全な状態にあるときに私が撤回しない限り、
その効力を持続するものであることを明らかにしておきます。

(3) 必要書類
  ① 本人の戸籍謄本(家族も記載されたもの)
  ② 本人の印鑑登録証明書(発行3か月以内)
  ③ 家族の了承書(取得できる家族の範囲内、下記サンプルを参照)

○尊厳死宣言の了承書(サンプル)
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私達は○○○○の作成した別紙尊厳死宣言公正証書(案)の真意を理解し了承致します。
  平成○年○月○日
        妻   住所
             氏名                   印
                      昭和○年○月○日生
        長男  住所
             氏名                  印
                      昭和○年○月○日生

 (了承書と別紙尊厳死宣言公正証書(案)とは各頁を割印して下さい)

3 手数料等
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 手数料は、事実実験に要した時間と証書作成に要した時間の合計時間1時間までごとに1万1000円です。

 事実実験が休日や午後7時以降に行われたときは、手数料の10分の5が加算されます

用紙代・・・原本4枚を超えた分、正本、謄本について1枚250円が加算されます。
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