問5 密結合マルチプロセッサの性能が、1台当たりのプロセッサの性能とプロセッサ数の席に等しくならない要因として、最も適切なものはどれか。

ア 主記憶へのアクセスの競合
イ 通信回線を介したプロセッサ間通信
ウ プロセッサのディスパッチ処理
エ 割り込み処理


正解 ア


解説

 密結合マルチプロセッサとは、1つの主記憶装置を複数のプロセッサが共有するマルチプロセッサ方式。2013年現在、市場に流通しているPCの大半は、1つのプロセッサの中に複数のプロセッサを搭載している。君が今使っているPCももしかすると密結合マルチプロセッサ方式のPCかもしれない。
※最近ではスマートフォンでも複数のプロセッサを搭載する機種が増えてきている。

 疎結合マルチプロセッサとは、複数台のコンピュータをネットワークで接続し結合したもの。昨今のスーパーコンピュータではコンピュータの小型化により、1枚のコンピュータの中の複数のコンピュータを詰め込み、更にそれぞれのコンピュータが密結合マルチプロセッサを搭載する、密結合と疎結合マルチプロセッサのハイブリッド化も進んでいる。

ア 正解。
 密結合マルチプロセッサでは、複数のプロセッサが1つの主記憶装置を共有するため、主記憶に同時にアクセスが発生すると、プロセッサに待ち時間が出来てしまいパフォーマンスが低下する。

イ 疎結合マルチプロセッサのパフォーマンス低下の要因。
 疎結合マルチプロセッサでは通信回線で複数のコンピュータを接続する。十分に高速な通信回線を利用しても、プロセッサの処理性能を上回る事は出来ないため、プロセッサの待ち時間が発生するのは避けられない。

ウ 密結合、疎結合、どちらにも当てはまるため不正解。
 プロセッサへの処理のディスパッチは密結合、疎結合問わず、マルチプロセッサでは避けられない処理であり、その待ち時間の分だけプロセッサのパフォーマンスが低下する。

エ マルチプロセッサに関係なくコンピュータのパフォーマンス低下の要因のため不正解。
 コンピュータシステムは通常、メインとなる処理以外に周辺機器からの信号も処理しなくてはいけない。メインとなる処理の合間に、周辺機器からの信号を受け取ったコントローラーが割り込みを通知する事で、プロセッサは割り込み処理を行う。この割り込み処理にかかる分だけ、メインの処理が疎かになる。


最終更新:2013年07月07日 14:26