問29 経営会議で来季の景気動向を議論した所、契機は悪化する、横ばいである、好転するという三つの意見に完全に別れてしまった。来季の投資計画について、積極的投資、継続的投資、消極的投資のいずれかに決意しないければならない。表の予想利益については意見が一致した。意思決定に関する記述のうち、適切なものはどれか。


ア 混合戦略に基づく最適意思決定は、積極的投資と消極的投資である。
イ 純粋戦略に基づく最適意思決定は、積極的投資である。
ウ マクシマックス原理に基づく最適意思決定は、継続的投資である。
エ マクシミン原理に基づく最適意思決定は、消極的投資である。


正解 エ


解説

ゲーム理論に関する問題です。
ア 不正解
混合戦略とは、景気動向悪化の確率がxxで、横ばいの確率がooで、好転の確率がyyだから…というように、相手が選択する確率によって最適な選択肢を求める戦略です。
今回、「三つの意見に完全に別れた」ので、それぞれの確率は等しいと考えると、それぞれの景気動向で得られる利益が最大の物を選択することになります。
積極的投資は700万 継続的投資は600万 消極的投資は850万なので、混合戦略で選択するのは消極的投資となるため不正解です。

イ 不正解
純粋戦略とは、景気動向悪化なら消極的投資を選ぶ、横ばいなら消極的投資を選ぶ、好転なら積極的投資を選ぶ、といったように、相手の動向でこちらの打つ手が確定している状態を指します。
選択肢イは、景気動向は確実に好転すると言える場合の説明なので不正解です。

ウ 不正解
マクシマックス原理とは、それぞれの選択肢に対して最良のケースを想定し、その中で最高のケースを選択する手法です。
それぞれの最良のケースは、積極的投資500万 継続的投資300万 消極的投資400万なので、積極的投資を選択します。

エ 不正解
マクシミン原理とは、それぞれの選択肢に対して最悪のケースを想定し、もっともマシな最悪のケースを選択する手法です。
それぞれの最悪のケースは、消極的投資50万 継続的投資100万 消極的投資200万なので、マクシミン原理では消極的投資を選択します。


最終更新:2013年07月20日 13:05