四季彩 > 流れに乗ってWBRの記事書こうとしたら全然話が逸れまくってボツの例13期


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

──潮風薫る、白の町。

波の囁き、海鳥の歌、人々の賑わいの声。
燦々と太陽は照り、海と対を成す山は鮮やかな新緑の眩しさ。
等しく吹き渡る風の娘達の声は優しく、この町の活気を更なるものへと添える。


──某所、「白屋敷」上空。

穏やかな風の中に舞う、一人のアルビノの女セイレーン。
有翼種として空を飛ぶことの快感に一時を酔わせ、全身でその抱擁を感受し、優雅に、踊るように羽ばたく。
故郷の風に、似ている──。
今は遠き出生の海に思いを馳せながら、両腕と両翼を一心に広げ、少しでも多くの風をと求める。
船乗り達に海上の歌い手と恐れられる色鮮やかな羽のセイレーンの中で白毛赤眼に生まれ、何の因果か人間の男と伴侶になるを誓い、挙句は『地母神の歌』の船長。御伽噺にも成るまい。そう自嘲気味に振り返る、思い出の海。
東に向いては窘めの風。西に向いては後押しの囁き。下に向いては掬いの手。そのどれもが、懐かしく、甘美な声に聞こえる。
おおーーい───。

意識は遠くの空から今の空へ。懐かしい、いや、もっと近しい声がする。
声の主はすぐに見つかった。眼下、白屋敷の入り口付近で上空に腕を振る、黒尽くめの影。青々と草茂る丘にはよく見える。
降下してくるセイレーンを見て、その黒尽くめの──猫の尾の生えた美少年は嬉しそうに微笑み、その目を伏せた。
「珍しいな。ジャニスも空を楽しむんだ」
少年が名前を呟いたセイレーン、ジャニス・ケウロビア。猫尾の少年の友人にして、四季隊の初期を大黒柱として支えた「ファイター」だ。
主導の役を降りて隠遁しており、その顔は四季隊に於いてすらも知る人ぞ知るものとなっていた。
「どうしたんだ、リン。また面白い噂でも拾ってきたのか?」
降り立って翼を仕舞うジャニスにリンと呼ばれたキャットストライダーの少年、リノティ・シュレディンガー。当初はその自身に纏う呪いのため悲哀を湛える顔が絶えなかったが、ジャニスと二人の友人らと共に支えあう時の中で笑顔を取り戻していった少年だ。
彼の瞳は直視した者を不幸にするという。友人でさえ、友人だからこそ、彼の眼の色を言い当てることはできない。見ようにも、リノティが今こうして、目を伏せるからだ。
そうなんだよ、と微笑みながら、リノティは手に持つ畳まれた紙を丁寧に開いていく。
それは、概要や日時、人物名などが書かれた複数の紙。その見出しは特別大きく、こう書かれていた。


「「第十三回WBR」」