キャラなりきり雑談所 > in追憶の湖 > 湖底の庭 > 第4層


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  • 屍姫「……………。」
    (気が付くと、HROは屍姫に見つめられていた。)
    (無表情なその顔は相変わらず…なのだが、なんだか自身におかしな感覚が残っている。)
    (なにか、何か大切な、大事なことをしていた気がする。だが具体的に何をしていたのかが、ハッキリと思い出せない。)
    (目に焼きついたハズの光景は揺れる煙のように曖昧で、耳に入れたハズの音声は反響が掛かって言葉として理解できない。ただ、最後に溢れた感情だけが自分に残っている。なにをしてこの感情になっているのか思い出せない。そんなもどかしい感覚が。)
    屍姫「……………。」 -- 追憶の湖
  • …なんだい? -- HRO
  • ……………。
    (暫しの沈黙)
    記憶は。時に逆境の中において希望を見出す。
    …私は少し、私が怖くなった。
    お前達にできて私にできないものがある。これは恐らく代償なのだろう。
    ……………。 -- 屍姫
  • (そういえば、と。居たハズのアミの姿が見当たらない。) -- 追憶の湖
  • …さあ?そんな気はしないけど。 -- HRO
  • ………。
    …何千年という歳月をアルト・ユミレースの中で過ごしてきた。
    …昨今ではユミレースではない外の世界に触れる機会もできた。
    …だが、肝心の『鍵』がまったく見つからない。
    ………。 -- 屍姫
  • 鍵…?何の鍵だ -- HRO
  • 私の活動をと…。………。
    …平穏の鍵だ。みなが穏やかに暮らせる平穏の鍵。それがあれば、お前の苦痛もなくなるだろう。 -- 屍姫
  • …苦痛ねぇ。まぁなくはないけどさ。 -- HRO
  • ……………。
    (目を閉じ、沈黙。流れを断ち切るかのように。…開眼)
    …自由。自由の現世に飛び込まないのか? -- 屍姫
  • そういう願望はなくはない。でもね、あの人のために、いない方が、もっと言えば嫌われた方が好都合なんだよね。 -- HRO
  • …あの人のために。そうか。 -- 屍姫
  • だが、嫌われる道を選ぶのは筋が違う。魂を呪われてしまう。
    お前はそれを罪滅ぼしだと考えるのかもしれないが、お前と女両人が不幸を歩む道だ。 -- 屍姫
  • …そうじゃない。多分あの人はまたさっきみたいなことをする。
    今回だって貴方がいたからたまたま上手くいっただけ。次はあぁはいかない。
    同じことを防ぐには、こうするしかない。 -- HRO
  • …なぜ覚えている。 -- 屍姫
  • 最初は気に食わないって思ってたヤツが強力したんだ。そんな大事なこと、忘れる筈がない。 -- HRO
  • ………。
    …フフフフ(目を閉じ、不敵に笑いながら、背を向けてHROとの距離をあけた。)
    (霧のかかる湖の空を見上げ、やや声を張って言う)


    あなたは面白い人ですよ。その犠牲的行為は必ず成就すると断言しましょう。 -- 屍姫
  • どんなに憎まれてもいい。あの人が生きていてくれるなら、自分がどうなっても…! -- HRO
  • ハッハッハッハ!!
    そうして全ての人間を憎みながら!リマ・カーマイン・リンドーは地獄に落ちるだろう!!
    (振り返った屍姫は、笑ってもなく、怒ってもなく、)
    それがうぬの望みだ!!!
    (泣いている) -- 屍姫
  • い、いや、別にそういう意味じゃ… -- HRO
  • 違わない!死・死人を憎むことは何の解決にもならない!それは私がもっとも理解している!
    お前と言う風は鎖となり、女はお前を失ったこと以上の足枷を自らに科するだろう!思い出はすべからく憎悪となり、女の魂を蝕むだろう!
    そうして気高き道化師は過ちを正すスベを失う!六界においては鬼と化したリマに魂を貪り食われ、尽きない呪縛と激痛がお前を延々と苛むだろう!
    私はそんなものは望まない! -- 屍姫
  • グルルルルイ……眠りを妨げる騒音の主を辿ってみれば、麗しの姫ではないか。何を憤っておられるのだ。
    (眠りから目覚めたとおぼしき巨獣が現れた。) -- キルビオン
  • うぉ!めっちゃびっくりした! -- HRO
  • ッ………。
    ………。
    …口を出すべきではなかったな。
    HRO。お前の願い、汲み取ろう。
    いかな理由や目的であろうと、私は死として寄り添う者だ。 -- 屍姫
  • …はて…? -- キルビオン
  • …願いね。ないわけではないよ。 -- HRO
  • ふむ。
    さて、我はキラメスタの山々の『見回り』にでも参ろうかな。
    我が死したをよいことに山を荒らす不届き者が居るでな…。まったく、死んでもなお安らげぬわ。 -- キルビオン
  • ………。 -- 屍姫
  • そ、まーいってらっしゃい。 -- HRO
  • …おや、こたびは来ないのか?姫や。
    お忍びの旅も良いものぞ。 -- キルビオン
  • ………。 -- 屍姫
  • …ふむ、ご機嫌麗しゅう。
    では、早めに戻る。
    (足元に飛び込み、姿を消した…) -- キルビオン
  • ………。 -- 屍姫
  • …チィ、なんて奴らだ。 -- HRO
  • …痛かろう。
    (HROの背後から突然声がした。) -- 屍姫
  • …日も浅い。まだ「痛みの恐怖」が残っているだろう。
    だが、お前が望む限り、生きる人のように苦しむこともできる。
    …それはやはり、此岸から来たゆえに。此岸を求めるゆえに。 -- 屍姫
  • 生きる人のように過ごすなんて執着ないねぇ。
    ただ俺は好き勝手やる。そしてアンタへの借りを返すだけさ。 -- HRO
  • …貸した覚えは無い。 -- 屍姫
  • グルルルルイ…只今戻り仕った。 -- 音速の巨獣・キルビオン
  • …どうだか。あれ、おかえり。 -- HRO
  • …言った手前、好きにしなさい。
    キラマ公、訊ねたいことがある。
    燕尾服の少女をそちらで見なかったか。 -- 屍姫
  • ふむ?
    ………。
    …否。アルトユミレースには来ていない筈であるが。 -- 巨獣キルビオン
  • ………。 -- 屍姫
  • …姫も久しく見ていない、ということか。
    確か……その少女も屍の身であろう。
    誰の記憶からも消え去ったのであれば、無縁坂に入ったのであろう。
    そうなれば、最早我々『狭間の者』の手の及ぶところではない。行ってしまったのだから。 -- 巨獣キルビオン
  • …行く筈がない。 -- 屍姫
  • …それは、『姫が望んでいるから』か? -- キルビオン
  • ……………。
    …違う。
    彼女は私の目をしかと見て、生きたいと言った。
    …愚かにも、私を望みながら。
    ……流零は死なない。 -- 屍姫
  • ………。
    高貴なる屍姫がそう言うのであれば、少女の魂は死なないのであろう。…だが屍だ。
    …おや、どちらが魅せられているのやら。我は首を傾げようぞ。 -- 巨獣キルビオン
  • (ぬらりと、水面から湧き出でて姿を現す)
    …おや。お集まりだったかな。 -- 箒銃の魔女アミ・シャリクラ
  • あーあ。こっぴどくやられちまったもんよ。で、流零がどうのこーのだっけか… -- HRO
  • (白い衣服に身を包む少女が水面から勢いよく飛び出し、ふわりと居直る)
    ふー。おひさし! -- 翼の少女スニメグ
  • ………。(アミとスニメグの姿を確認した)
    …成仏する筈もなく、か。 -- 屍姫
  • お久ー。マギバスターズ、だっけか…数の暴力ってこえぇわ。 -- HRO
  • …遊戯ゆえに。
    お前(HRO)が来るとは思わなかったが。 -- 屍姫
  • なーに、楽しそうなことやってたのー? -- スニメグ
  • …異なことをするのだな。生者と戯れたのか。 -- アミ
  • まーね。ちょっとお仕置きが必要だと思ったんだが…このザマさ。 -- HRO
  • はっはっは。
    HROよ。数の暴力なら、姫が得意とするところではないか。 -- キルビオン
  • ………。
    私が見たかったものは出なかった。
    求める場所を違えたのだろう。 -- 屍姫
  • アレそうなん?ぐぬぬ…なんか余計なことした感じか… -- HRO
  • …構わない。むしろ都合が好かった。
    …先に提唱したのは銃の男(ジョン)。実に行ったのは土着神(モレヤ)。
    …だが形には成らなかった。 -- 屍姫
  • 小さな個が、寄り集まっているだけ。それが実態。
    …だが、「一つの生として」…あの発想は的を得ている。 -- 屍姫
  • 生者ひとつが如何に強かろうと、姫が「死」である以上は危機に落ちうる。
    だが、緻密かつ強固な塊となれば、それだけで「生」というものは力強く輝くものなのだ。
    …屍姫が見る生者らは、過去にそのような団結をしたことがあるのではないかな? -- キルビオン
  • それも今は昔…だな。
    万人の敵というものが居なくなって久しい。小さな異変は勃発するが。 -- アミ
  • お、おう? 万人の的…あの帽子屋みたいな奴か? -- HRO
  • 帽子屋しかり。青い鳥の連合もしかり。
    さて。我々は。 -- 屍姫
  • 悪役になったつもりはないが、外から見れば悪なのだろうな。 -- キルビオン
  • …悪。そうか。 -- 屍姫
  • 正義だの悪なんてどうでもいいだろう?とにかく俺はやりことをやるさ。
    帽子屋をぶっ潰して、アンタらには協力して…後はアイツとのケリをつけて。 -- HRO
  • (静かに、大きく息を吐いた)
    ………いいだろう。
    (屍姫の手が湖面に向けられ、空気を撫でた。暗かった湖の底に別の場所が映し出される。)
    (…広い木造の部屋。オレンジ色の髪をポニーテールにした女が黙々と腕立て伏せをしている。)
    (よく見ると、部屋の隅の机にはHROの顔が映った写真が飾られている) -- 屍姫
  • …リマか。結局は生き延びたんだな。 -- アミ
  • 生きていたんだな…(先程のケリをつける、といった発言とは裏腹に、安心した様子) -- HRO
  • 葉は華を惟ひ華は葉を惟ふ。
    リマの心は穏やかだ。お前を思い偲べど、涙に溺れることは無くなった。
    お前が見守っていることを信じ、会う事叶わくも立ち止まらず、前を向いて歩く。
    リマの心は穏やかだ。 -- 屍姫
  • そっか。それなら、いいんだがな… -- HRO
  • ………。
    安堵か?諦観か? -- 屍姫
  • 安堵…でありたいがな…どうも前と同じことになりそうな気がするのだ。 -- HRO
  • …そうしてリマの一生を見果てる気か。 -- 屍姫
  • 生き返ればいい。(唐突にそう発言した) -- アミ
  • (その言葉に、咄嗟にアミを睨みつけた) -- 屍姫
  • おやおや…黄泉返りを促すのか。見上げた考えよ。 -- キルビオン
  • …?(不思議な、という顔を屍姫に返した)
    おかしなことを言ったか? -- アミ
  • そういう気はない。ただ、彼女には俺のことを忘れてそのまま生きてくれれば良いのだ。 -- HRO
  • …それは叶えられない。 -- 屍姫
  • …クク、面白いな。それは死者には不可能な我侭だな。 -- アミ
  • …どういうことだ? -- HRO
  • ………。
    近しいことは時の流れがリマを変えるだろう。
    だが覚えておけ。人は愛したものを忘れることはないと。 -- 屍姫
  • 言葉の相違だねえ。
    屍姫達の使う「忘れる」っていうのは完璧忘れることだよ。存在していたことすらわからないくらいにね。
    HROの言ってることは「俺に縛られない程度にフツーに生活して結婚して幸せになってくれ」ってヤツだよね。 -- 解説席:猫尾のリノティ
  • いぇす!そういうことです! -- 解説席:コダマ
  • …そ。まっ、アイツが幸せならなんでもいいさ。 -- HRO
  • …案ずるな、若者よ。
    女は悲劇の壁を越えた。越える方法を知った。これは、人の心の強さだ。
    …女を信じてみては如何かな。そう悪い道にはならんだろう。 -- キルビオン
  • ………。
    リマが、お前に関係のないもので生を諦めた時。
    その時は遠慮もなく、「お迎え」に行く。
    それを嫌だと感じるなら、お前の意思で対処するといい。 -- 屍姫
  • 俗に言う「守護霊になる」というものか。
    フッ、人は面白いことを考えるのう。 -- キルビオン
  • そ。まぁ、何もなければいいのさ。壁を越えて、そのままならね。 -- HRO
  • (リマ「さて、と…」)
    (リマがひとしきりの運動を終えると、机の上の飲み物を摂り、大部屋を出る。そこで湖の目は終わる。)
    (再び底の見えない黒に支配された。) -- 追憶の湖
  • …フン。 -- アミ
  • (和に入らないところで散々暇そうにしていた)
    クヲンちゃんはどうなのー?ルレちゃんのお迎えどうするのー? -- スニメグ
  • ……………。
    …お前達の知るべきところではない。 -- 屍姫
  • あんらら。
    他人の世話は焼くのに。 -- スニメグ
  • …高貴なる屍姫よ。御主、少々 -- キルビオン
  • 人に生きる意味など…ありませんわ。 -- 屍姫
  • ………であろうなあ。 -- キルビオン
  • あ、そーだキーちゃん! -- スニメグ
  • ………ふむ。 -- キルビオン
  • ねーキーちゃんってば -- スニメグ
  • …うん?我のことか…? -- キルビオン
  • そーだよキーちゃあん
    ちょっとキラメスタに来てよぅ。お仕置きしたいヤツ居るんだよ。 -- スニメグ
  • スニメグ一人ではどうにもならん相手なのか。我に仕置き人が務まるかね? -- キルビオン
  • キーちゃんの速さがあればイチコロっすよぅ -- スニメグ
  • …詮無いのう。
    姫や、少々行って参る。
    (スニメグとともに水面に沈んだ) -- キルビオン
  • 奮ってきな。(手をやや上げて見送る) -- アミ


  • ハ……ハァ……ハ……
    (クヲンは肩で息をしている。その表情は疲弊しきっている。)
    ……そんな…
    たった…10分……?
    (水面に膝を付いた) -- クヲン
  • ………む…。
    (上げていた手を見、すぐに下ろす。)
    ……時の魔法使いをもってしても。世界を巻き戻すのは限界があるか。
    …少し期待していたが。 -- アミ
  • ふっ、大したことにはならなかった…と。期待してたって、どういうことです? -- HRO
  • うん?フフ、さあてね。こちらの話だ。
    …さて。(しっかりとした足取りでクヲンに歩み寄る) -- アミ
  • (膝も着き、手も着いた。…今までの戦闘では見たこともない疲弊っぷりだ。よほど力を消耗したのだろう。…それでも、わずか10分。) -- クヲン
  • …必要ないと言ったな。(クヲンを見下ろしながら、HROを指差す) -- アミ
  • ハァ…………はぁ………。
    …アミ……あなたは何者なのですか…。 -- クヲン
  • ……ん~ん、なるほど。お前には見えていなかったのか。
    私はここの時間軸より東方、紛れもない未来からきた人間だ。
    私が所属するマザーアース派の悲願を叶えるため、お前の力を利用したかった。
    だが見当外れだったようだな。 -- アミ・シャリクラ
  • み、未来人!? -- HRO
  • …未来…。
    …フフッ…そうですか…。
    (ゆっくりと立ち上がる。重い足取りでHROの前まで来、HROに手を向ける。)
    ……………。


    (HROの時が解かれた。)


    -- クヲン
  • あれ?あれれ?(時が解かれた。突然で少々戸惑っている) -- HRO
  • 「生きている」というのは時間の経過がないと確認できないものだよ。
    何時何分何秒にHROは生きてたよ。でも今はどうなの?うーんわからない。生きてるかもね。死んでるかもね。そんな状態。その状態で時間を固定された。
    脈は止まるけど体は動く。生きてるの?死んでるの?そういう境界線のハッキリしない「消息不明・生死不明者」にされてたんだ。これがタネだよ。
    今のHROは紛れもない生者だよ。 -- 解説席:猫尾のリノティ
  • なんというか…死んでなかった…っぽいのでしょうか?うーん… -- HRO
  • …鎖は解きました。あなたは、晴れて自由な生を謳歌できますよ。
    (哀しく微笑んだ) -- クヲン
  • え、まぁ…その…そ、そうですか。イマイチ実感ないけど。 -- HRO
  • 湧かないのも無理はない。こんな現実離れした体験なんぞ中々無い。
    …さて、久方ぶりに腹が減った。どこか遠くで飯を摂るとしよう。近くだと『屍姫軍』として顔が割れてるだろうしな。 -- アミ
  • …そうだね。でも、その前にちょっといい? -- HRO
  • どうした、言ってごらん。 -- アミ
  • その、クヲンさん。リマさんの件では助かりました。ありがとうございます。(クヲンに対し、お辞儀をする) -- HRO

  • ………あなたの礼に値する身分ではございませんわ。 -- クヲン
  • いえいえ、そんなことはないです。


    それと。今まで無駄かなんかって…まだわかるものじゃないかなって。
    当時の貴方が正しいと思ってやったこと…すぐ無駄と決めつけちゃうのは…なんというか、勿体無いと思うんです。 -- HRO
  • …ほう。残酷だな。 -- アミ
  • 残酷…そうかも知れないです。
    ただ、お礼とは別にもう一つ言いたいこともあるんです。


    私にとって「気に障る者」だった貴方が「恩人」までになったこと…
    貴方にとっては私との出来事は無駄だったのかも知れません。
    でも私にとっては無駄じゃなかった…こうして貴方のことを知れてよかった。
    それだけは…伝えておきます。 -- HRO
  • ………。
    …思ってもみないことを言われましたわ。
    ………。
    …訂正しますわ。あなたとの出会いは、決して無駄ではありませんでしたわ -- クヲン
  • …へ?あぁ…そう?
    貴方にそう言われると、なんかその…ちょっと照れますね。
    …さて、アミさん。そろそろ行きましょうか。 -- HRO
  • そうだな。 -- アミ
  • ………。 -- クヲン
  • …哀しい目をするようになったな、クヲン。
    …精々「生きる」のだな。
    (アミの体は水面に吸い込まれていった。) -- アミ
  • では、時の魔女クヲン。また会える日まで。(アミを追ってくかのように、水面に吸い込まれていった。) -- HRO
  • ………。
    (追憶の湖に静寂が戻る。)
    (またしても独り。結局は孤独に回帰する。)
    …大丈夫。もう慣れた。
    (『屍姫』となる前に、十分すぎるほど味わった。今更思うところなど…)
    ………。ま、た…私は泣いているのか。
    (理由は、わからない。孤独ゆえか。自分が屠った者達を思ってか。一万年の記憶が奔流となって遡っていく。)
    (…やはりどうしても思い出せない。自らが時の魔法使いだという証明が記憶に見つからない。) -- クヲン
  • …見つかる筈が無いんだよね。
    アルト・ユミレースの魔法使いは、それぞれ一人ずつしか存在しない。
    『漠(アヲ)』を除いたそれぞれの魔法使いは、世代交代のときに力と一緒に命も渡すんだよね。渡された方がどうなるかと言うと、以前の記憶がごっそり消えちゃうんだ。
    だから魔法使いは必ずサポート役の仲間を一人付ける。そうしないと「自分が魔法使いであることを知らない記憶喪失の人間」ができあがるからさ。
    …魔法使いクヲンはそうやって誕生したのさ。一万年も前に。
    かわいそうなことに、なまじ才能はあったから知らないうちに魔法を使えるようになってしまった。奇跡は悲劇。
    クヲンも結局はアルト・ユミレースに踊らされていたんだ。 -- 解説席:猫尾のリノティ
  • なんとォ! -- 解説席:HRO
  • …罪深き私はどうすればいいのですか、時の魔法使い。
    …今更知らされても、困りますわ。
    ………魔法使い。教えてくださいませ…。
    (力なくその場にへたり込む。ぼうっと、睡蓮を見つめたまま、クヲンは動かなくなった。)
    (まるで一枚の写真のごとく、この世界で動くものはなにもない…。) -- クヲン



  • (…この空間の境界が揺らいでいるようだ…。)
    (内なるクヲンは、まるで時が止まったかのように動かない…) -- 追憶の湖
  • ……随分無用心だな、クヲン。
    (鬱蒼と茂る森の小道から身を出し、湖畔に佇む。…どうやら他の場所からここまで歩いてきたようだ。)
    境界が曖昧だ。これでは誰もが足を踏み入れうる。
    (湖に一歩足を踏み出す。ちゃぷん。足が湖に沈む。…もはや水面には立てまいと悟る。)
    ……やることがあるだろう。何時間そうしているつもりだ。 -- アミ
  • (アミの発言が終わると、ようやくクヲンの時が動き出した。へたり込んだまま、顔をやや向ける)
    ……用済みでしょう。 -- クヲン
  • ………はぁ。(溜め息、ひとつ) -- アミ
  • ……キルビオンらは。 -- アミ
  • ………。
    彼らは貴方達とは違って、本当に死んでいます。
    私が時を解けば、そのまま物言わぬ屍となりましょう。
    ………。
    まだ帰ってきておりません。 -- クヲン
  • …近くにおらねば解く事もできないのか。 -- アミ
  • ……いいえ。ですが、解く前に話しておきたいのです。
    騙していたことを。 -- クヲン
  • …なるほど。それで待つことを決めたのか。
    ……そんなことではルレとは会えないと思うがな。 -- アミ
  • ………なぜそこで彼女の名前が? -- クヲン
  • ………。
    すまないが、お前がリマを救っていた時にお前の記憶が見えた。
    口では突き放したが…随分と大事に想っているじゃないか。 -- アミ
  • ……そうでしたか。 -- クヲン
  • …「死」ではなくなったんだ。お前から拒絶する理由は消えただろう。 -- アミ
  • ……………。 -- クヲン
  • …フン。元から死ではなかったワケだが…。
    お前の殺気を放つ力といい、無表情といい、立ち振る舞いといい…諸々は堂に入っていたな。 -- アミ
  • ………。
    …そうですか。あなたの無表情も堂に入っておられますわよ。 -- クヲン
  • …うん。…うん? -- アミ
  • (クスクスと、笑いを零した)
    …いいでしょう。
    (クヲンが立ち上がった)
    時は今も一刻と流れています。私は私のできることを。
    (両手を頭の後ろへ。その高結いの髪を掴んだかと思うと、片方の手の指で撫でる。) -- クヲン
  • ……冗談を言うヤツだったとは思いもしなかったな。 -- アミ
  • (手を戻すクヲンの左手には、長い髪の束。結い紐が自然とほどけたクヲンの髪は、肩のあたりまで短くなっていた。)
    情報屋。私の名は分かりますか? -- クヲン
  • お前の名…?
    …ふむ…。クヲンという名は「久遠の姫」から取られたのだとは聞いた。
    お前が魔法使いになって記憶を失う前の名までは分からなかった。
    …一万年も前の話だ。証言者も証拠もない。 -- アミ
  • …そうでしょうね。
    私を魔法使いにした先代の顔も知りません。
    ですが…それでいいのでしょう。 -- クヲン
  • うん? -- アミ
  • 私は人の一生を優に超える時間を生きました。そしてこれからもそう在り続けるでしょう。
    …なら、出発点を今に定めても遅くはありません。 -- クヲン
  • …イイ考えだな。 -- アミ
  • …私は久遠であるとともに、命を照らす光でありたい。
    …久遠の命照。それを私の名としましょう。 -- クヲン
  • …イテリ、か。 -- アミ
  • はい、お察しの通り。
    厳密に言えば、今のここの時間軸は「少し前」だよ。それか79話が「少し後」かな?関係者が少ないから破綻してないよね?
    さあ。物語はリンクするよ。
    -- 解説席:猫尾のリノティ
  • …おかしいですか? -- クヲン
  • …否。太古の響きだが、イイ名だ。
    …では、歩み出すのだな。 -- アミ
  • ええ。でも、焦らずに。
    (両の腕を広げると、湖の水がクヲンの足を伝ってチャイナドレスを覆う。その水が破裂し飛び散った時、クヲンは白を基調とする衣服を身に纏っていた) -- 久遠命照
  • 随分なイメージチェンジじゃないか。だが私はそちらのほうが好ましいな。 -- アミ
  • (水面に佇むクヲンが、無言でアミの方へと歩き出す。)
    (すれ違いざま。)
    ここは残しますわ。私のキオク、時のキオク。帰れるところがあっても、いいハズですわ。 -- 久遠命照
  • …そうか。
    ヒマができたら覗きに来よう。ここは人のキオクだからな。 -- アミ
  • 楽しみですね。
    (クヲンは森の向こうへと消えていった) -- イテリ
  • ……………。
    …フッ。寄り道をしてしまったな。 -- アミ
  • ………。
    人の記憶、か。つまりは… -- アミ