桜咲く ~マッドアフター・聖杯解体闘争編~

143. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/03(木) 15:44:10.58 ID:uKUOt4SKo
人がいないんでちょっと投下


十年前…あの日の夜

皆、泣いていました

先輩も、姉さんも、兄さんも、イリヤさんも、ランサーさんも…

先生は、どこか遠くへ行ってしまいました

私たちに日常を取り戻すために

私達を幸せにするために

1人で、たった1人、犠牲になりました

本当なら、私か、イリヤさんの役目だったのに

皆、泣いています

悔しくて、自分の無力さが、とても悔しくて

でも、私は泣きませんでした

まだ、諦めていないから

まだ、「ハッピーエンド」を諦めていないから

だって、私は…




先生が、大好きだから―――




After epilogue  桜、咲け  〜聖杯解体闘争秘話〜

続く…のかな?
150. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/03(木) 16:04:02.53 ID:uKUOt4SKo

聖杯戦争終結から、2年後…



私は高校を卒業して、倫敦の時計塔でエルメロイ先生の生徒として魔術に励んでいます

本来、私の素質は【封印指定】にされるかもしれないという危機があったみたいですが

おじさまが、各方面に便宜を払ってくれたお陰で私は此処にいられます


エルメロイ「では、今日はここまでとしようか」


エルメロイ先生が立ち上がる

毎日2時間、私は先生と個人授業を受けている

理由は、やっぱり私の特性

【封印指定】にはならなかったものの、それを無視してでもサンプリングしたい人はいるみたいで、此処に来た当初は、色々ありました

先輩や、姉さん、そして倫敦で知り合ったルヴィアさんの助けのお陰で今まではなんとかなりました

でも、もう守ってばかりの自分は嫌なんです

おじさまが助けてくれた命と、与えてくれた日常、そして今も心の中にしまいこんでいるこの想い
全部、全部、おじさまが私にくれたもの

なのに、私はおじさまに何一つだって返していないんだから
だから、私は倫敦にいます

初めは、皆から反対されました

もう、桜を酷い目に会わせたくない―――
桜は、もう辛い思いをしなくていい―――
先生はそんなことを望んでない―――

違う、違うんです
私の想いは中々伝わらない

でも、2人だけ…私の想いを受けてくれました

もう、サクラは本当にダメね―――
もっと、自信を持ちなさい、貴女は私と同じなんだから―――

主を想うその気持ち、どうして踏みにじることが出来ようか―――


徐々に、身体が大人になっていくイリヤさん
おじさまが、内緒で調整してくれたそうです

いつも、私を守ってくれるランサーさん
おじさまの最期の頼みだそうです

やっぱり、私は今もおじさまに守ってもらっている

だから

私は、魔術の修練に励む
時には、エルメロイ先生に叱られながら
私は、励む


―――おじさまを幸せにするために


視点選択
1.士郎
2.凛
3.慎二
4.ルヴィア
↓1
151. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/03(木) 16:05:51.56 ID:IoipdgPxo

153. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/03(木) 16:17:59.10 ID:uKUOt4SKo
>>151  選択:凛




今、私は倫敦で研究に明け暮れている

先生を幸せにしたい―――

桜の決意が、私にはとても眩しかった

その想いが私を突き動かした

正直、諦めていた

もう、先生は助からない

大聖杯の扉は完全に閉じている

あれほどの魔力と憎悪の塊

きっと先生でも、その魂を保つことは不可能

だから、あの日

私は泣いていいた

泣く事しか出来なかった

前を向けなかった

でも、桜は違った

あの子は泣かなかった

大好きな人のはずなのに

初めは、我慢しているのかなって思った

でも、それは違った

1人で倫敦までやってきた

私、反対した
だって、もう貴女を苦しませたくないから

先生はそんなことを望んでない―――

でも、桜に宿る意思の強さはとても強かった

その想いが2年間どこか燻っていた私の想いを動かした

きっと、それはあの二人も…

アレを理解し解析できるまで、少なくてもあと7年…

でも、もう私も諦めない


―――妹の「ハッピーエンド」を見せられないでどうして姉が務まるのよ…!


5年後…
156. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/03(木) 16:35:24.67 ID:uKUOt4SKo
聖杯戦争終結から7年後…



その出会いは唐突でした


???「マトウサクラですね?」


スーツに身を包んだ麗人と言ってもいいのだろう

そんな人が私の前に立っていました

私には、見覚えがない


???「あの男…一体何人の愛人を作れば気が済むのですか…」


溜息を吐くその人

愛人…?一体何のことだろう

???「貴女もそうではないのですか?あのイカれた貴族の…」

その人が、言葉を言い切る前に、私はその人の頬を叩いていました

きっと、人を叩くのは生まれて初めてだったのかもしれません

でも、許せなかった

あの人の悪口を言う事は…

驚き、目を瞬く、男装の女性

正直、怖い
どこか、この人には絶対に叶わないとも思っている
それでも私は、虚勢を張りながらその人を睨みつける

おじさまだけは私が守るんだから―――


「おじさまは、そんな人ではありません――!」

場が、静寂に包まれる
ふと、女性の空気が柔らかくなるのを感じる

なぜか、笑っているみたいだ

???「申し訳ありません、昔の私に似ていたものでして」

バゼット「私は、バゼット・フラガ・マクレミッツ、バゼットと呼んでください」


そうして、語ったのは先生との思い出話

バゼットさんも先生の教え子だったみたいだ

どこか意気投合する私と、バゼットさん

そして、私は思ってしまう


―――あぁ、この人はダメな人だ




聖杯戦争から10年後―――

157. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/05/03(木) 16:37:52.09 ID:hDGpPFe80
会っていきなりダメな人かよwwww
159. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2012/05/03(木) 16:50:59.95 ID:tWWtOGry0
流石ダメットさんやでぇ…
160. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/05/03(木) 16:54:14.39 ID:+0H0zFDv0
いつも通りのダメットさんである
161. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/03(木) 16:59:06.73 ID:uKUOt4SKo
さて、少し出かけるので、続きはまた今度
5時過ぎにはキャラ製作を


10年後のステータス

衛宮士郎:家系判定:1(6)  才能判定:6  特性判定:0  【剣】  
保有スキル:【衛宮の一族】【魔術使い】【固有結界】

間桐桜:    家系判定:8  才能判定:9  特性判定:9  【虚無】  
保有スキル【間桐の一族】【架空元素】

遠坂凛:    家系判定:7  才能判定:9  特性判定:6  【転換】  
保有スキル:【遠坂の一族】【宝石魔術】【五代元素】

間桐慎二:  家系判定:8  才能判定:5  特性判定8  特性:【吸収】  
保有スキル:【間桐の一族】【錬金術(西洋)】【蟲使い】【翅刃虫】



857. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 11:07:03.14 ID:e/mccEjmo
第五次聖杯戦争から9年後
聖杯解体闘争まで後1年…



先輩と、姉さんが結婚式を挙げました

私がいて、兄さんがいて、イリヤさん、エルメロイ先生、ルヴィアさん、バゼットさん

本当にささやかな、小さな挙式

私達は魔術師ですけど、私と姉さんの希望で教会にしました

やっぱり、ウェディングドレスは女の子の憧れだから

魔術師と親交のある教会で挙式を上げる先輩と姉さん

とても幸せそうな二人、そんな二人を見ると私も心が暖かくなります

私を見た姉さんの顔がちょっとだけ曇りました

きっと、まだ気にしてるんだと思う

二人で一緒に結婚式を挙げようと言ってくれた姉さん

でも、私は首を横に振りました

これから一年、とても忙しくなる…

もしかしたら、無事に済まないかもしれない

それなら、少しでも幸せを感じていて欲しかったから


凛「ごめんね、ありがとう桜…」


私は姉さんを抱きしめます

最近の姉さんは、私より泣き虫になっています

だから、私は姉さんが安心出来るようにこう言います


―――来年は、私のことを祝ってね?


聖杯解体闘争まであと十二ヵ月…



860. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 11:26:46.62 ID:e/mccEjmo
聖杯戦争から10年後
聖杯解体闘争


桜は何年振りかに日本の…冬木の土地に足を着けた

桜だけではない

士郎、凛、信二、イリヤ、エルメロイ?世も傍らにいる

そして、彼らだけではない

ルヴィア、バゼットもまた桜達の願いを聞き入れ、この地に降り立った


目的はただ一つ

この日の為に、十年間を過ごしてきた

冬木に眠る大聖杯の解体

そして…


凛「解体の術式、開放の術式も万全だわ」

エルメロイ「後は、儀式を完成させればいい」

ルヴィア「唯、その為にはシェロ、サクラ、貴方達のどちらも欠けてはなりません」


士郎と、桜は頷く


桜は、大聖杯を空ける「鍵」として

士郎は、大聖杯を全て壊す「鍵」として


この聖杯解体に於いて、重要なのはこの二つ

今回に限り、協会も黙認した

聖杯解体は、協会が正式に出した命令でもある

これには、凛達も驚いた

エルメロイ?世が言うには、魔道元帥がそれを許可したのが大きいらしい

なんでも、「まだ報復を与えていない」と、不思議な事を口にしていた


だが、同時に秘密裏に聖杯解体を阻止する魔術師はいるかもしれない

根源の到達が叶う手段の一つとしてなら、嬉々として襲いかかるだろう

だからこそ、万全を期している


桜達は、準備を終え大聖杯が眠る円蔵山の地下大空洞へと潜っていく

そして、直ぐに全員が驚愕の眼を開く


大空洞を降りたその先には


無数の、魔術達の死骸が転がっていた―――


直後コンマ  ???判定
成功で固有結界発動
解析した神秘:+∞
861. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/13(日) 11:30:37.97 ID:5rOFzTQIO
どれ
863. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 11:44:37.11 ID:e/mccEjmo
>>861  判定:∞    固有結界発動:無限の神秘(残骸)



凛「嘘…でしょ」

凛を初め、場にいる全ての人間が絶句する


死骸の転がる先には、白く眩い外套を着た――――


骸骨がいた

それは一体ではない

二体、三体、四体…一〇体、一〇〇体、一〇〇〇体、一〇〇〇〇体…


もはや、数える意味は無い


大空洞を埋め尽くさんとする無限の骸の兵達は、その手に様々な神秘を手にしている

光眩い騎士王の剣をもっていれば、神牛を繋いだ戦車に跨り、

またある骸は赤き呪いの槍を携え、あたある残骸は幻獣を侍らせる

どれもこれも、殆どの者が見覚えがあるのだろう

そう、あれは全て貴方が解析した神秘達

1=∞

貴方が無限に神秘を解析すれば、無限の貴方達も神秘を解析する

終わらない矛盾、終わらない螺旋


それが、貴方の心象風景を大聖杯が具現化した固有結果――

慎二「冗談じゃないよ!衛宮凛!!どういうことだいこれは!」
凛「私だって解らないわよ…これは固有結界?」
ルヴィア「それにしては、規模も維持も大きすぎませんこと!?」

三者三様にうろたえる

当たり前だ、こんなことは誰も予期できない


エルメロイ「地脈から吸った魔力を維持に充てているのかもしれない…」

イリヤ「きっとお兄様ならやりかねないわ」


皆の顔が青ざめる…


だが、一人だけ臆することなく前に進まんとする者がいた


凛「桜!?」


桜は、無限の残骸を前に足を進めて行く
そして、また従者である弁慶と共に―――


――――先生。今、会いに行きます


直後  貴方判定
成功で抑止の…
桜の想い:+1
凛の想い:+1
士郎の想い:+1
慎二の想い:+1
イリヤの想い:+1

864. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) 2012/05/13(日) 11:46:20.47 ID:qKL6pdPAO

865. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 12:11:15.41 ID:e/mccEjmo
>>864  判定:0    結果:貴方の仕掛け発動(抑止力)



???「顔を上げなさい―――シンジ」


一閃の風が骸を粉微塵に吹き飛ばす

その手は、祈りの光を集めた最強の幻想

最も尊き聖剣の中の聖剣


慎二「まさか…『セイバー』!」
セイバー「逞しくなりましたね、シンジ」
セイバー「聖杯に招かれた『セイバー』として、また貴方の剣となりましょう」


そう、そこに立つのは噂に違わぬ高潔な武人、誰もが知るであろう騎士王の姿が


セイバー「それに私だけではありません」


どこか、含み笑いを浮かべる『セイバー』と

響き渡るは雷の蹄


???「「AAAAALaLaLaLaie!!!」


神の血を与えられし神牛が骸を粉々に踏み荒らす


凛「まさか…『ライダー』!?」
ライダー「おう、小娘…では無くなったな凛よ、我が盟友よ、良い面構えになった」
ライダー「我が臣下、ウェイバーよ。貴君もまた、余の下した大任をよくぞ成し遂げている」


『ライダー』はエルメロイ…ウェイバーへと身体を向ける、途端に跪くウェイバー


ウェイバー「王よ…!ありがたき幸せ!」
ライダー「まぁ…世に知れ渡る『騎士王』と、『征服王』がいればこの程度些細な問題だが…」
ライダー「どうやら、暴れ足りない輩もおるらしいんでのう!」


にやりとする『ライダー』

突如、空間と共に裂ける白骨の兵達―――


???「イリヤー!元気してたって…大きくなったじゃない!」
???「ご主人様ー!良妻デリバリー再びお届けに上がりました☆」


紅蓮に上がる炎と、貫かんばかりの氷塊が、骸を塵すら残さない


イリヤ「『バーサーカー』!!!」
士郎「『タマモ』!!!」


貴方達を守護するは、人類史上を飾る英霊と、世界そのもの

貴方が用意した、貴方へのカウンター

桜の直ぐ側には、常に桜を守り続けた優しい影―――


アサシン「桜殿…此度、『アサシン』として限界しました、この『アサシン』めをどうかお使い下さい」

???「ありがとう…『アサシン』さん!」


直後コンマ  大聖杯判定
成功で固有結界維持
解析した神秘:+∞
866. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) 2012/05/13(日) 12:12:14.19 ID:Q9izWXYco
負ける気がしない
867. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) 2012/05/13(日) 12:15:37.11 ID:6sgb3qRGo
少年漫画のラスボス戦みたいだ
869. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 12:35:33.15 ID:e/mccEjmo
>>866  判定:∞  結果:固有結界維持



だが、再開の祝いをしている暇は無い

更に増え続けるは、無限の骸骨達


ライダー「さて、何ともつまらぬ兵どもだ、なあ騎士王よ」

セイバー「えぇ、これがあの男のなれの果てであったとしても、もっと風情はあったでしょうに」


『ライダー』から光が包まれる、この熱砂の風景、蒼に染め上がる天、そして、控えるは最強の兵団


ライダー「おーい!凛!」


『ライダー』は、背中で凛を呼ぶ


ライダー「よくぞ、諦めなかった。それでこそ、我が友よ」

凛「当たり前じゃない!―――任せたわよ『ライダー』」


そして一人、『ライダー』へと侍る男


ウェイバー「王よ、もう追いていくと言うのは無しにして頂きたい」
ライダー「よかろう、ウェイバー!余と共に、皆と共に!この風景を焼きつけよう!」


貴方の世界が、『ライダー』に侵食される
無限の骸を飛ばすは、『ライダー』と、彼が統べる勇士たちが駆け抜けた大地


ライダー「目も口も耳も持たぬ、骸の兵よ。ならばその身に刻み込め!」
ライダー「これぞ!我が王道!我が至宝!イスカンダルたる余が誇る最強宝具!」
ライダー「『王の軍勢なり』!!!」

『  然り!  然り!  然り!  』


熱砂の野原に広がるは、歴戦を潜り抜けた兵士達

一人、一人が一騎当千の古兵

なれば、数への不利は無し―――!


ライダー「此の度の戦!最果ての海を目指すものではない!」
ライダー「誰もが祈る幸福へと手を伸ばし、足掻く者たちへの試練!」
ライダー「ならばこそ、我ら無双の軍勢がその梅雨払いをしようではないか!」

『  然り!  然り!  然り!  』

その熱量を極大させる『ライダー』と軍勢
熱量が無限を越えた時、『征服王』の号令が降される

ライダー「蹂躙せよ!」

『  AAAAAAAALaLaLaLaLaLaLaie!!!  』


征服王の、一夜限りにして、三度目の’夢’が始まる



―――そして、残された者達は、先へと進んでいかんとする



直後コンマ  大聖杯判定
成功で固有結界維持
解析した神秘:+∞
870. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/05/13(日) 12:37:07.97 ID:AWk9r2iuo

871. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 12:54:42.22 ID:e/mccEjmo
>>870  判定:∞  結果:固有結界維持



征服王の固有結界により、消滅した骸達…と思われたが


「――――――」
「――――――――――――」
「―――――――――――――――――――」


尚も、無限に増殖するは無限の骸達


タマモ「うぇー…あれならまだアメーバの方が可愛げがありますねー…」

バーサーカー「でも、ストレス発散になりそうね」


どこか、緊張感に欠ける二人の会話


だが、その骸に一つだけ異彩を放つカタチが存在した

肉があり、ヒトの形をもち、その右手には煌めく騎士王の聖剣が―――


セイバー「皆さんは先に―――」

慎二「行けよ、桜」

バゼット「ここは、私達が食い止めます」


慎二、バゼット、『セイバー』が桜達を先へと促した


バゼット「あの肉つきは、私と、間桐君で相手をします」

セイバー「わかりました、御武運を―――」

慎二「先生、10年前は何も出来ませんでしたが…」
慎二「今日こそは、見てもらいますよ…僕の成果を!」


徐々にその数を増やしていく骸の兵隊

その数は、天の逆月にまで達しよう

だがその身を震わし覚悟せよ無数の残骸

汝らが刻むのは目映い剣

紺碧と白銀の戦装束に身を包んだ理想の具現

―――ここに

未来を願い、過去を振り切った、最強にして不落の―――

約束された勝利を手にする者が存在する


セイバー「此処へと至れる者は、未来の祝福を願う者達だけが手にする権利だ」
セイバー「私にも、貴様らにも踏みにじる余地は無い」
セイバー「それを、”無謀”と嘲笑うなら―――」
セイバー「その”醜態”ここで払わせよう―――!」


『セイバー』の光が洞窟を照らす中
慎二は、後ろを振り向かず、桜に一言だけ声を掛けた


―――桜、幸せになれよ


直後コンマ  大聖杯判定
成功で固有結界維持
解析した神秘:+∞
872. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/05/13(日) 12:55:18.23 ID:AWk9r2iuo
はいじゃないが
874. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 13:15:31.24 ID:e/mccEjmo
>>872  判定:∞  結果:固有結界維持



大聖杯までは後少し…走り続ける、桜とその一行


だが、イリヤと凛、ルヴィアがその足を止める

尚も、後ろから迫るは、無数の骸


イリヤ「行きなさい、サクラ」

ルヴィア「えぇ、必ずやタイトルを掴みなさい」


それに呼応するかの如く、振り返る『バーサーカー』と『キャスター』


バーサーカー「そろそろ、私も動きたいし、飛ばすわよ、イリヤ!」

イリヤ「やっちゃえ『バーサーカー』!」

タマモ「ご主人様が、そこの赤いのとどうなってるかについては後でたっぷり問いただせて貰いますね」

タマモ「ですが、今はちょっとだけ本気モードで行きますよ!」


士郎はどこか苦笑して、凛は、少し気まずそうにしている

『キャスター』と『バーサーカー』が桜へと声を掛ける


タマモ「桜さん、女は度胸です!ファイトです!ついでにもう一つファイトです!」

タマモ「男性の趣味は…ごにょごにょですがー…恋する乙女なら同盟ですよ!」

バーサーカー「私ね、IFとか、もしもって大好きなの」

バーサーカー「それが今、現実になるならちょっと…本気出すわよ」

バーサーカー「だから、あなたも頑張りなさい」


静かに頷く桜

そして、また走り出す

凛「  桜!!!  」

凛が、大きな声を上げて桜を呼びとめる

振り返る桜

凛はどこか晴れた笑顔を迎えている


凛「次は、貴方の結婚式なんだから」

凛「しっかりやんなさいよ」


桜も笑ってしまう、やはり姉は姉だと…


―――はい、姉さん


先に進むと分かれ道があった…
桜の選択
1.士郎と別れる
2.ランサーと別れる

↓2
875. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/05/13(日) 13:18:37.83 ID:AWk9r2iuo
1
876. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/13(日) 13:21:49.95 ID:pdbLkiw+o
1
877. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/13(日) 13:41:50.53 ID:e/mccEjmo
>>876  選択:1    結果:士郎と別れました


士郎「俺はこっちから行くよ」


若干、険しそうな道へと掛けて行った士郎

髪は、白くなり、肌も浅黒いが、根は変わってないようだ

桜は、『ランサー』と『アサシン』を連れて行く


徐々に見えてくるのは、『ダンサー』が破壊した大聖杯への入口…

???「よくぞ、此処まで来た」

背筋を、鋭利な刃物でなぞられた様な感覚にざわめく桜

声の聞こえる方向へと振り向けば、そこにいるのは黒きカソックに身を包んだ亡霊…


綺礼「一度は諦めたアレの産声をまた聞けるかもしれないと思えば」

綺礼「地獄からでも這いあがれる者だ」


桜は、驚かない

予感はあったのだ

―――この男が邪魔をする、と

直後、綺礼の背後へと『アサシン』が迫る

黒く塗られたダガーが綺礼の首を寸断する

だが、それは叶わない

綺礼の手にした黒鍵がダガーを挟む

アサシン「桜殿、此処はハサンめにお任せを」

桜は、強く頷く

きっと、『アサシン』さんなら大丈夫

ずっと私を守ってくれた『アサシン』さん


―――私は、信じます。だから、絶対にまた会いましょう

その信頼、必ずや―――

そして、弁慶と共に走り去る桜

『アサシン』は、それをただ見送る

髑髏の仮面からでは表情は伺えない

綺礼「まさか、この身でサーヴァントを相手にするとは」

綺礼「骨が折れる」

アサシン「暗殺者如きのこの私が」

アサシン「怪物退治の誉れを頂けるとはな」

アサシン「この身に勝る幸福など無い」


綺礼の黒鍵と、アサシンの『ダガー』
両者が火花を散らし、交差する




>>1「休憩します」
888. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 22:57:41.23 ID:jVkOhpOFo
最近、研修が激しくて再開できず申し訳ありません。
マッドアフター続き






士郎は駆け足で険しい地下の通路を進む

通路の先に開けた空洞が広がる


「貴様が来たか、偽物」


士郎の前に現れたのは金色の鎧を身に纏まった英雄

英雄王ギルガメッシュ
ギルガメッシュから発する気は、明らかに受肉しているものである


「ギルガメッシュ…!」


士郎は双剣を構えて相対する

士郎の頬から汗が伝う

好くて相討ち



所詮、英雄ではない自分では―――



直後コンマ:???判定
成功で…

右に避けろ:+4
889. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/16(水) 22:58:06.87 ID:fzLrPIuco
ほい
890. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 22:59:31.76 ID:jVkOhpOFo
>>889  判定:          結果:増援





「己の未熟さに嘆くのは勝手だが、その前に右に避けろ」


英雄王へと放たれる一条の矢

ギルガメッシュは、鬱陶しくその矢を払う


「『アーチャー』!?、どうして此処に!?」

「貴様に話す義理はない、さっさと行け」


相変わらずの辛辣さ

だが、今はこれほどまでに頼りになるのではないだろうか


「助かる…」


『アーチャー』に背を向け立ち去っていく士郎

それを見送る『アーチャー』の顔はどこか楽しげだ


「自ら絶望に足を踏み入れ、狂ったか『偽物』」

「何、己の甘さにとことん嫌気が刺しただけさ」

「為らば、潔く我に殺されるか?」


『アーチャー』は笑う

それは先程のような見送る笑顔ではなく

いつものように、どこか不敵な、余裕を持った―――


「随分と、慢心しているようだが一つ忠告しよう」



―――既に景色は変わっている


紅く暮れる空を見れば、錬鉄を続ける巨大な歯車


枯れた大地を見下ろせば、無数に突き刺さる剣の丘


―――行くぞ、英雄王。武器の貯蔵は充分か?




892. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 23:03:50.85 ID:jVkOhpOFo
大空洞の入口


慎二の挑戦は苛烈を極めていた

無限の残骸が神秘を携える

そして、率いるのは肉を持った貴方のカタチをした『人形』

幸い残骸は『セイバー』の奮闘で持ち堪えている

慎二が、蟲を操り『人形』を喰い破かんとする


「――――」


『人形』は広域に魔術を展開して蟲を焼き尽くす

また、死角から襲いかかるバゼットの攻撃も、境界外套の堅牢さを貫けない

そして『人形』から振るわれるのは騎士王の聖剣

攻防共に、隙を持たない『人形』は十年前と変わらない

慎二も、バゼットも共に煤にまみれ、埃にまみれ

拵えた高級なスーツは台無しだ

だが、その闘志は更に燃え上がる


「ねぇ、アンタの奥の手でさぁ…「アレ」倒せるんだよな?」

「あれが、【宝具】を解放すれば」

「ですが、『人形』であったとしても、したたかな面は変わらないようですね」


『人形』は聖剣を手にしているが、その真名を解放してはいない

『人形』が真名解放出来るかどうかも解らない

だが、出来なくても攻防共に優れた『人形』には不利はない


直後コンマ:慎二VS『人形』
1に近いほど慎二優勢
9に近いほど『人形』優勢

連携:-1
翅刃虫:-1
893. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/16(水) 23:04:11.78 ID:fzLrPIuco
ほい
895. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 23:07:39.47 ID:jVkOhpOFo
>>893  判定:6  結果:『人形有利』    次回宝具判定



慎二とバゼットの二人掛かりの連携を持ってしても、『人形』を貫けない

汗を拭い、スーツの誇りを叩く慎二


「全く、本当にダメなヤツだねぇキミh…」


何か言い終わる前に鼻を押さえる慎二

さも、当然と言ったように涼しい顔のバゼット

慎二から鼻血が綺麗に垂れている


「ちょっと!  ちょっと!  ちょっと!」


鼻を押さえて抗議する慎二、はて?と首を傾げる


「いや!今、殴ったよね?僕の顔殴ったよね?」

「僕じゃなきゃ死んでたよ!マジでさぁ!」


慎二がバゼットに喚いているところを襲いかかる『人形』


直後コンマ:『人形』判定
成功で宝具
解析した神秘:+3
896. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/16(水) 23:07:50.37 ID:fzLrPIuco
ほい
900. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 23:11:17.72 ID:jVkOhpOFo
>>896  判定:0  結果:クリティカル  ※約束された勝利の剣解放




「―――――」


『人形』の右手から強烈な魔翌力…聖剣から光が収束されていく

『人形』が大きく振りかぶり、標的である慎二とバゼット

だが、その足が止まる

足に絡みつく、巨大な百足のカタチをした蟲


「とっておきってやつを見せてあげるよ」


慎二は、ポケットから鉱物を取り出すと、『人形』に向けて投げる

当たった瞬間、粉々になる鉱物

空気を漂いながら、粉が『人形』の外套に触れると…


「――――!?」


徐々に、外套が劣化していく


「僕の創った新作の蟲でね」

「バクテリアが凶暴になったようなものさ」


慎二の用いた蟲は、微生物クラスの大きさで、魔翌力を基に活動する

境界外套も、魔翌力で編まれた礼装

まさに、蟲にとって恰好の得物


直後コンマ:  バゼット判定
クリティカルで…
斬り抉る戦神の剣:+9
901. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/16(水) 23:11:28.09 ID:fzLrPIuco
ほい
905. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 23:23:38.50 ID:jVkOhpOFo
>>901  判定:0  結果:クリティカル  フラガラック発動

※本編でもクラスB以上の宝具は全て判定:+9になるのでどうぞ選んでください



だが、食い破らんとする蟲に構わず、宝具を解放する『人形』

今まさに、慎二達へと光の奔流が向けられる―――!



「やっぱり、『人形』如きじゃこの程度だねぇ」

「全く、歯ごたえも何も無い」


既に、バゼットの手には、己が持つ、最強の切り札が帯電している


拳を握り、標的の心臓へと構える


「”後より出て先に断つもの”」


囁きかけるように、バゼットは球体に息吹を掛ける


「”斬り抉る戦神の剣”――――!」



からん―――と落ちる『人形』が手に持った聖剣

徐々に、身体を蟲に蝕まれていく『人形』はただ一言も発さぬままその形を無にしていった



「後は、任せたよ…衛宮」

「必ず、あの人を救ってあげなさい」



戦況選択
1.士郎&桜
2.『アサシン』VS言峰綺礼
3.『アーチャー』VSギルガメッシュ

↓2
906. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/05/16(水) 23:24:13.81 ID:p7S02wlzo

907. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) 2012/05/16(水) 23:24:21.13 ID:Y0XX4Bsbo
3
908. ◆G0vndwBJQ. 2012/05/16(水) 23:25:59.53 ID:jVkOhpOFo
>>選択:3  結果:『アーチャー』VSギルガメッシュ


今日は、ここまでにします。
お疲れさまでした。

しまった…7代目のことすっかり忘れてた!

明日には…更新再開d(ry
496. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/10(火) 21:20:03.32 ID:ASKLrh6Jo
これの続き始めます
http://www58.atwiki.jp/earthcell/pages/149.html


慎二達の激闘が行われた同時刻

洞窟の奥底では、2騎の英雄が死闘を繰り広げる

一騎は、世界に唯一の王の中の王にして、この世の全ての財を手に入れた大英霊

一騎は、誰も知らない名も無い英雄にして、その手に全てを生み出す錬鉄の英霊

相反する二つの魂は、己の存在を確固たるものとするために、その魂を削りあう


エミヤ「どうした、英雄王。貴様の財宝とはその程度か?」

ギルガメッシュ「我を愚弄するか!贋作者!」


ギルガメッシュが宝具を展開すれば、エミヤが宝具を錬成して、破壊する

展開の速度よりも、錬成の速度のほうが速い―――

致命的な相性の悪さが、この戦いにて初めて露見された


ギルガメッシュ「貴様―――!」


激昂するギルガメッシュが宝物庫から一つの武器を取り出す

だが…

エミヤの結界が…

エミヤの鷹の如き鋭き眼光が武器の露出すら許さない―――!!


I am a born of my sord―――


右手に現れるのは、螺旋を描いた一本の剣

剣は捻れて矢に変わり、弓兵としての真骨頂を見せつける


エミヤ「偽・螺旋剣―――!」


瞬速の矢は、轟音を響かせる

ギルガメッシュ「よもや―――!」

そう口にした時には、既に英雄王の右手は宙を飛んでいた

ギルガメッシュの驚愕するも束の間…!

エミヤは、たった一節を唱えていた


エミヤ「壊れた幻想―――」


そして、続く爆音は空間そのものを炎をで覆った―――

燃える空間の中

一人、赤い外套を熱風で靡かせ、エミヤはいつか見た空を幻視する



―――先生、不出来な生徒を頼みます


おわり
502. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/10(火) 22:35:57.71 ID:ASKLrh6Jo
鋭い金属音が火花を散らす

金属の音を辿れば、一方は黒鍵、そして片方は黒塗りのダガーナイフ

黒鍵を投げ…敵を射殺さんとするのは、外道に堕ちた聖職者――…その名は言峰綺礼

漆黒のダガーを投げ…敵を刺殺さんとするのは、忠なる黒衣の暗殺者――その真名はハサン・ザッハーバ

拮抗する戦いの中、ハサンは綺礼の力に驚愕するばかりだ

この男、歳で言えば三十を越し、肉体の絶頂期は遠に過ぎている…

されど、この男の身体能力は老いても尚、益々盛かんなり

まるで、今この時が、絶頂期でも言うような…

綺礼「完全な形を以って受肉を果たすとは…」

綺礼「アンリマユも、粋な計らいをしてくれたか」

綺礼の投げた黒鍵が、ハサンの肩口を掠る

油断は無い…しかし、英霊であるハサンが一介の代行者に遅れている

否、その認識は直ぐに捨てる…

それは必然…

そう、単純にこの男が強すぎるのだ

故に英霊である自分と真正面から相対できる

そして、自分は幸運だ…と、ハサンは心の中で笑う

そんな豪の者と、相間見て渡り合うことが出来る

敵の虚を突くために、機を窺い確実に殺すことが
『アサシン』の本分であり性分であるはずが…

らしくない、とハサンは自嘲する

だが、遅れを取ることだけは許されない

そして、負けるわけにはいかない

我が主人、間桐  桜が

「また会おう―――」

一介の暗殺者である自分に、そう言ったのだ

その契りを反故することだけは罷りならない

それが、十年前にあの少女を守れなかった後悔でもある

そして、今その後悔を晴らす時が来たのだ


503. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/10(火) 22:41:50.26 ID:ASKLrh6Jo
駆ける足はほぼ同時

綺礼が右脚を蹴って跳躍する

一歩踏めば、五歩進む『箭疾歩』

目を瞑る暇も無く、ハサンへと距離を詰める綺礼

ハサンも、勝負を決めに来た綺礼に対して、迎撃を選択する

回避を選べば、即殺されるであろう―――

長年にわたり暗殺を生業にした彼だからこその直感がそう告げたのだ

黒い布で封じ込められたハサンの右腕が今…開放される

綺礼の左足は大地と一体化し、震脚が大地を揺らし地面を割る

ハサンの右腕の布が剥がれ、

折りたためられた右腕が羽ばたくように天へと延びる

ハサンから、強烈な魔力の解放を感じた綺礼は臆することは無かった

だからどうした…そう言わんばかりに綺礼は大地から得た力と共に加速する

ハサンの宝具…その真名は『妄想心音』

中東の古い呪術によって生み出された悪魔シャイターンの腕を己の腕として繋げたもの

人を呪殺する。唯それだけに特化した暗殺宝具

綺礼が狙うは八極拳の奥義…八大招・立地通天砲

顎先を打ち抜き、脳漿を空中に舞わせるその一撃は

霊格が首にあるサーヴァントには必殺となろう

ハサンの鏡が綺礼を写す、反鏡存在から擬似的な心臓を抽出する

本物と相違ない二重存在であれば、鏡が砕ければ心臓も砕け散る

自分と相違ない心臓を見た綺礼は笑う


選択を誤ったな『アサシン』よ…それでは私を殺せんよ

何故なら、この身体に心臓は無い

故に、ハサンの宝具は無意味でしかない


だが、たった一つ…たった一つの例外が、言峰綺礼を狂わせた


504. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/10(火) 22:43:20.40 ID:ASKLrh6Jo
そう、それは…あの男…

選択を誤ったのは貴様だ、代行者

そう、あの男は…この場において粋な例外を施した


『―――妄想心音』


右掌に置いた心臓を握りつぶす『アサシン』

勝利を確信した綺礼

あとは、この腕を伸ばすだけ―――

だが、伸ばせない

身体が動かない

血液が急速に冷めていく

まるで、心臓が止まったような…握りつぶされたような…


――何故だ?私には”心臓”が無いはずなのに…


その自問は、直ぐに氷解する

自分が先ほど漏らした言葉、『アサシン』が呟いた一言

粋な計らいを…

受肉を…

受肉、心臓が動かない不完全なものでは決してない

五体の全てが満足に、内臓の一つも欠陥は無い


そう、完全なる受肉を綺礼は果たしていたのだ―――


悟った瞬間に口から大量の血を吐きだす綺礼

そして、底なしの泥を孕んだ眼を開けたまま絶命した

ダガーを拾い、仕舞い込んでいくハサン

後は、主の無事を祈ること

それが、彼の出来る事だ


―――桜殿…どうかお気をつけて。そしてあの男とまたお会いしましょう


510. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/11(水) 22:25:21.51 ID:16als014o
桜と別れて、どれだけ経っただろうか

アーチャーと別れて、どれだけ経っただろうか

衛宮士郎は一人、大聖杯の最深部へと向かう

徐々に、道は道でなくなり岩肌は剣山のように鋭くなっていく


桜と弁慶もまた、道なき道を進んでいく

奥に行けば行くほど、不快感は強烈になっていく

なんだろうか…この不快感は、

怒り?悲しみ?悔しみ?妬み?

それはまるで、この世の全ての悪を空気に纏わせたような―――


士郎もまた不意に桜たちが感じる不快感に襲われる

だが、それを士郎は懐かしいと感じた

その不快感は、誰かの意識と同じものだったから

それは、救済を求めそのために天秤であろうと志し
最後には奇跡に縋るしかなかった男の嘆き


そして、その不快感の正体は彼らの頭上から突如降ってきた

弁慶「!?止まれぃ桜ァ!!!」

弁慶の制止の声が洞窟に響き渡る

だが、遅かった


桜と士郎は、奇しくも同じ時間に、天上から降る黒き泥に飲み込まれた


おわり

519. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/13(金) 21:24:43.55 ID:f294q9q2o

衛宮 士郎は泥濁した意識から徐々に覚醒する

ここは…一体?

自分の身体を確かめてみる…五体満足であることは確認できた

では、肉体的には無事なようだ

思慮に耽るうちに、ぼやけた視界は輪郭を露わにしていく

そして、意識と視界がはっきりしたころに聞こえた声


――起きたかい、士郎?


懐かしい声が聞こえた、それはあり得ない

視界に男の姿を捉える、そんなことはあり得ない

目の前にいる男は、草臥れたコートと煙草の匂いが沁みたスーツを着ていた

その姿に覚えがある…否、忘れるはずがない

憧れて、志して、衛宮士郎という人間の原形となったあの男

あの男の理想が綺麗だったから、それになりたいと願った


その男の名前は…衛宮 切嗣―――


切嗣「久しぶりだね、士郎」

どうして…爺さんがここに?

切嗣「そんな事は、どうでもいいんだ」

切嗣「士郎、どうして正義の味方をやめたんだい?」

切嗣「どうして、あの日の誓いを忘れたのかい?」


違う!違うんだ切嗣!決してあの日の誓いを忘れたわけじゃない…!

ただ…どうしても…守りたい人が出来てしまったのだ…!


切嗣「それでは、人は救えない」

切嗣「愛する者であれ、それが正義の為なら、切り捨てなければならない」

切嗣「士郎なら、それが解るだろう」

切嗣の言葉に気付けば拳を握りしめている士郎

それは―――!

切嗣「士郎…やっぱりお前は、正義の味方になれないよ」

切嗣「所詮は、僕のイミテーション…贋作だ」

切嗣の腕が、コートの中へと招かれていく

その手には、魔術には似つかわしくない近代兵器

やめてくれ…やめてくれ爺さん!

切嗣「僕は、こんなことをさせる為に、君を拾ったわけじゃない」


ゆっくりと、コンデンターの引鉄が引かれていく


520. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/13(金) 21:26:32.29 ID:f294q9q2o
桜の意識が徐々に覚醒する

一体…ここはどこ?

階段を上がり続ける桜

だが、いつまで経っても出口が見えない

早く、おじ様を見つけないといけないのに――!

愛しの人を助けるために、永い長い階段を駆け続ける

だが、突然足が動かなくなった、そして、声が…聞こえた

痛いよ――苦しいよ―――

ふいに、桜の裾が何者かに引っ張られる

嫌――もう嫌―――

桜の全身が強張る

知っている、その思いも、その嘆きも

どうして――
どうして誰も助けてくれないの―――

やめて!それは私じゃない!

―――桜、貴方も私<桜>を助けてくれないの?

桜が裾を引っ張る方へと振り返る

眼に映るのは、懐かしい自分、全てを憎悪したあの時の自分…

――ねぇ、桜。どうして貴女だけ幸せになるの?

小さな桜が、桜へと問い詰める

違う…違うの!

――どうして、私<桜>だけがこんなに苦しい想いをするの?

違う…!私は貴女を見捨てない!

桜の叫びを聞いた小さな桜の目と声が、桜を責め立てる

―――嘘つき!!

―――じゃあ、今すぐ私<桜>を助けてよ!

桜は、耳を閉じた

必死に頭を振る、あの地獄が思い起こされれないように

だが、頭を振れば振るほど、過去の記憶が呼び起こし、桜を蝕む

――私<桜>をあの地獄から取り戻してよ!

―――私<桜>を乱暴する人から、救ってよ!

―――姉さんにも!お母さんにも!お父さんにも会わしてよ!!

桜は、一歩も動けず、その場に膝を崩す

そして、ただ涙を流しながら懺悔を口にする

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい

足が動かない、進めない、何も出来ない…

怖い、このまま前に進むことが怖い…


521. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/13(金) 21:27:06.35 ID:f294q9q2o






――――救けて…おじ様…








531. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/15(日) 13:38:03.83 ID:qJWSjfnPo


私は、無限に殺され、無限に生かされ続ける



最早時間の概念が無い、このつまらない空間

私の無聊を慰めてくれるのは君だけだ


???「だからって、俺まで巻き込むなよ」


そう言わないでくれたまえ、君と話すことだけが私の生きがいなのだから

いや、もう生きてはいないのか?


???「アンタ、本当に可笑しな奴だな」

???「俺の魂の記憶だけ残して、全部昇華させるとか」

???「物好きにもほどがあるだろ」


まぁ。どうにも昇華の方法が歪だったせいか、

はたまた私の性故か

どうやら、下は面白いことになっているらしい


???「あれ、アンタの生徒なんだろ?」

???「助けてやんねぇのかよ?」


私の出来る限りのことはしたよ

これ以上は何も出来ん


それに―――



あの程度で堕ちるなら、私の授業では落第点だ


???「ハッ…アンタ、見てくれの割には存外甘いんだな」


さてと、午後のティタイムの時間だ

君も一緒に付き合ってくれたまえ


???「此処に時間は無いって言ったの自分じゃねぇか…」



おわり
537. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 00:09:37.21 ID:FHYLQExTo

同調開始―――!


士郎の手から現れる左右対称の双剣

それを切嗣へと投げ、銃の砲塔を自分から逸らす


切嗣「僕を倒すのかい…士郎」

切嗣「君の理想…正義の味方であるこの僕を」


切嗣はもう片手にキャリコを取り出し連射する

士郎は再び双剣を投影して、銃弾を弾きながら防いでいく


―――確かに、俺は爺さんの目指した正義の味方にはなれなかった………


切嗣に接近して双剣を振りかぶる士郎


切嗣「踏み込みが甘いよ、士郎」

切嗣「固有時制御『二倍速』―――!」


剣を振り上げた瞬間、切嗣の姿が士郎の視界から消える

体内の時間流の加速…初めて見た、衛宮切嗣の魔術

むなしく空振る双剣

地面を弾いた反動で、双剣は手を離れて空を舞う

切嗣は、コンデンターを構えその銃口を士郎へと向ける

その銃が放つ弾丸こそ、一撃必殺の魔弾

衛宮士郎が知らない、衛宮切嗣の魔術師殺したる所以

既に銃身は、士郎の頭へと向けられている

ゆっくりと…切嗣の指に掛かる引鉄が引かれていく

士郎は切嗣を見ないまま、片膝をついて地面を観ている


切嗣「残念だよ、士郎…これでおしまいだ」



538. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 00:10:06.09 ID:FHYLQExTo










――――だが…切嗣が描いた週末は否定される










539. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 00:10:53.20 ID:FHYLQExTo

引鉄を引く瞬間だった

切嗣の背中を襲った二つの衝撃


切嗣「な…何!」


切嗣を襲った二つの衝撃の正体

それは、士郎が地面に弾いた二本の双剣

士郎は低い姿勢から半回転して切嗣へと身体を向ける

士郎は己の両手に二本の剣を投影する


―――切嗣…俺は…!


背中を血に染めながら、引き金に指を掛ける切嗣

だが、それより早く、士郎の双剣が振り上げられる


―――俺は…愛する人達の味方になるって決めたんだ―――!


衛宮士郎と衛宮切嗣

いつしか互いが背中合わせになる


―――君は、僕には出来なかったことが出来たんだね


士郎は振り向かずに立ち上がり歩を進める

言葉はあえて口に出さない

振り向いたら、それは未練となるから…

この先で待つ恩師のために、士郎は振り向かない


―――安心した


衛宮 切嗣は泥に戻りながら、立派に育った息子の背を見送った


540. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 00:13:58.61 ID:FHYLQExTo

自分の影に絶望する桜

徐々に、心が影に支配されていく


―――ごめんなさい…

                                ―――何に謝っている?

―――ごめんなさい…!

                                ――――何故謝っている?


ごめんなさい  ごめんなさい  ごめんなさい


―――謝るのは自分に責任があるから


ごめんなさいごめんなさいごめんなさい


―――謝るのは自分に非があることを認めているから


桜は涙を流して諦めを口にする


―――こんな私が…おじ様と一緒になんか…



桜が誰かの名前を口にした時…

その時、自分の心に一筋の光が見えた

この十年間、自分が何故、涙を流さなかったのか…

そうだ…だって自分は諦めてなんかいないのだ


―――誰もが幸せになれるハッピーエンドを…!


桜は、顔を上げる

そこには、幼い…絶望した自分の姿があった

その眼はどこまでも絶望を憎悪を孕んでいた



桜はそんな少女の身体を強く抱きしめた



541. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 00:15:06.14 ID:FHYLQExTo

―――ッ!!


抱きしめた瞬間

その少女から発せられる灼熱が桜を焦がしていく


―――ずっと…辛かったよね


だが、離さない

―――誰も…助けてくれなかったよね


その身体を絶対に離さない


―――こんなことが…ずっと続くことが怖かったよね


この子は苦しんだ。誰も味方がいない世界で苦しみ続けた


でもね―――


桜は慈愛に満ちた表情で少女に笑顔を渡した

昔…大切な人がしてくれたように


それでも、前に進んで、惨めでも歩みを止めなければ―――


そう…そうすれば…きっと―――

きっと幸せになれるから―――


抱きしめた少女の瞳が潤んでいく

初めての涙は頬を流れるだけだった

だが、その少女は徐々に声を上げて涙を流す

そうだ、あの時の自分は知ってほしかったのだ

苦しい…助けてほしい…と誰かに知ってほしかったのだ

そして、知りたかったのだ…

どうすれば、この苦しみから解放されるのかと

そして、桜は、幼き桜に告げたのだ

前に進めと…立ち止まるなと

そうして、桜は階段を上っていく

その手には、幼い桜の手を握っている

もう、迷いはない


必ず、この手でハッピーエンドを掴んでみせる―――



そして、桜は階段の最上階へと辿り着いた




おわり
552. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 22:18:03.92 ID:FHYLQExTo
階段を駆けあがり、ドアを開いた桜

どうやら、最深部に辿り着いたようだ

既に士郎とランサーはいるようだ

後ろを振り向けば、もう幼い自分はいない

目の前には、大聖杯が見える

だが、その行く手を阻むのは、無限の残骸達…


ランサー「ようやく、儂の出番が来たようじゃな」


ランサーは薙刀を手に握り、名乗りを上げる


ランサー「我が名は古今無双の古強者!武蔵坊弁慶なり!!」

ランサー「否!それは我が名に非ず!この名を世に轟かせんが為に、使わせて頂いた!」

ランサー「我が名は常陸坊海尊!!主を捨てておめおめ生き延びつづけた愚か者よ!!」


ランサーは残骸を薙刀で薙ぎ払う


ランサー「此処は儂に任せて先に行け!」


ランサーは、士郎と桜を背にして告げる

たった一騎で無限を相手にする

その事実が士郎と桜の歩を鈍らせる


ランサー「何を怯えておる!」

ランサー「貴様等が行かずして、誰があの男を救うのか!」


ランサーの檄が二人の背を押した


士郎「行くぞ…桜」


士郎はランサーの漢気を信じた


桜「ランサーさん…絶対に死んじゃ…嫌ですから!」


桜は、十年…守り続けてくれた強さを信じた

ランサーは振り向かず、一人でに微笑んだ

十年前、ランサーはあの変人極まった主と約束した

そして、今…

生前、そして十年前の後悔を晴らす時が来た


ランサー「今こそ!我が宿願を果たす時が来た!!!」

ランサー「我が主とあの男の教え子の未来の為!!この海尊!!!」

ランサー「仁王の如く!!立ち塞がらん!!」



553. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 22:19:08.38 ID:FHYLQExTo
そして…

ウェイバー「いけぇ!!!」

ライダー「AAAAALaLaLaile!!!!」

ライダーとエルメロイが固有結界の中で仲間と死闘を繰り広げ


セイバー「約束された―――勝利の剣!!!」

セイバーが眩い聖剣を手にして、残骸を葬り去り


イリヤ「やっちゃえバーサーカー!!」

バーサーカー「OKイリヤ!派手にやるわよ!」

キャスター「私も今日はノリにのっちゃいます!」

バーサーカーとキャスターが背を合せて駆逐する


凛「片付けきらないわね!もう!!」

ルヴィア「ミス・トオサカ!」

凛「しま…!?」

凛の背後に残骸が襲い掛かる

だが、その残骸は一発の弓矢によって砕かれる

アーチャー「もう余裕がないのか、凛」

凛「アーチャー!?」

アーチャー「背筋が曲っているなんて君らしくないな」

凛「上等じゃない…!」

アーチャー「フッ…それでこそ、凛だ」

凛「こんなに苦労したんだから…」

凛「ハッピーエンドじゃ許さないわよ、桜!!」


慎二「僕は頭脳派だってのに!」

バゼット「頭脳を使うよりも、殴った方が早く敵を処理できます」

慎二「もっと効率とかさ!!」

バゼット「そんなのだから、人に好かれないのですよ」

慎二「余計なお世話だよ!」

慎二「ったく…桜のヤツ…この兄を此処まで面倒かけさせやがって」

慎二「さっさと幸せになれっていんだよ!」


士郎「投影開始…」

士郎が投影したのは、十年前にアーチャーが最後に見せた歪な短剣

士郎「桜、準備はいいか?」

桜は強く頷いた


数々の人の想いを込め二人はかつての恩師に再開する


554. ◆XFKJOt0a3Y 2014/06/16(月) 22:20:11.62 ID:FHYLQExTo

???「どうやら迎えが来たようだぜ」


黒いなにかが貴方に声を掛ける

ほう、予想よりは早かったようだ


???「なぁ、アンタさ」


うむ、どうしたのかね?


???「アンタ、充分に罪を償ったと思うぜ」


罪?何の事だろうか


???「誰も許してくれないって思うんなら」

???「十年話し相手になってくれた礼だ」

???「オレが許してやるよ」

???「だから、ハッピーエンドでいいじゃねぇか」


―――この世全ての悪が許したんだから


―――もう、救われちまえ


内側から開く音が聞こえる

外側から背を押される


――――光が飽和していく



桜「―――おじ様!!!」


久々に感じる、本当に久々に感じる人のぬくもり

貴方を抱きしめて涙を流し続けるのはかつての教え子

貴方は、静かに桜の頭を優しく撫でる


―――うむ、こういう時はなんというべきだろうか


辺りを見渡せば、いつの間にか知った顔に囲まれる


―――なるほど、皆、十年もすれば老けたようだ


そうして、貴方はいつもの調子で皆に伝える


―――諸君、ただいま…と言わせてもらおう


マッドアフター  『桜咲く  聖杯解体闘争』END


おわり
555. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/16(月) 22:22:20.24 ID:L1O64dQs0
乙!

556. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/16(月) 22:23:17.38 ID:TEnqn8ob0
乙、文句なしのハッピーエンドだ
557. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/16(月) 22:24:57.37 ID:XC93cTd9O
乙乙!
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