背景
主人公ヴァルキリーは命を落とした英雄の魂を運ぶ女神であり、今新たに死に往く男の心の声を聴いていた。
声の主は倭国の戦闘集団「百鬼衆」の一員である「蘇芳」。強い精神力と高い戦闘力を持ち、百鬼衆の中でも敏腕で
かつ情け深い人物で、信念に生きる忠義の侍である。
彼は今、「村人に紛れた敵工作兵の殲滅」という名目である村を焼き討ちにする任務中にあった。
内容
コメント付き
テキスト
+
|
クリックで内容を表示 |
戦争にきれいも汚いもあるか。
その鎧はさぞや返り血を見えづらくするだろうな。
見た目だけにこだわって真実をごまかす貴様らにはお似合いだ!!
蘇芳
「違う。俺は、俺は!!
侍
「どうした。蘇芳、大丈夫か?
蘇芳
「…いや、なんでもない。…。
侍
「おまえのことだ。今回の任務に乗り気じゃないのはわかってるが…。あまり深く考えるなよ。
俺たちは、非戦闘員のふりをした偽装兵たちの村だという情報に従って行動すればいいんだ。
蘇芳
「だが!
侍
「情報の正誤は問題じゃない。
詩帆…。俺は一体、どうすれば…。
上官
「他の様子はどうだ?
侍
「はい、あらかた片づいたものと思われます。
上官
「そうか。
(皆去る。蘇芳、剣を向けてくる男を発見)
男
「く、来るな!
(剣を構える蘇芳)
男
「おまえたちは早く逃げろ…。
蘇芳
「…?
(後ろに男の家族達発見)
男
「貴様らなどに、…絶対やらせはしない!
蘇芳
「…。
なんだ、この状況は。
俺は一体、何なのだ?
どうして、こうなったのだ?
(蘇芳、男に斬られ絶命)
ヴァルキリー「なぜ戦わなかったのだ?
蘇芳
「…考えごとをしていた。
ヴァルキリー「考えごと?
蘇芳
「一体いつからこうなってしまったのだろう、と。
剣を向ける者は女子供であれ容赦はしない。
非情とはいえ明確な理念があるうちはまだよかった。
だが現実は、無抵抗の人間を何人殺戮したことか。
俺は、自分が散々切り捨ててきた者たちこそ守りたかったのだ!
権威などという形の無いものを、守りたかったわけでは…!
上官
「お前は、優しすぎたのだ…。蘇芳よ…。
(死を悼む数名の兵たち)
一緒に、生きましょう。
|
解説
+
|
クリックで内容を表示 |
自らの信念を集団に委ねていた結果、弱者を守りたいという自身の本望に気づけず、いつしか逆に弱者を虐げる存在に
なってしまっていた蘇芳が、ヴァルキリーに自身の心情を吐露するシーン。
その思いは「自分が散々切り捨ててきた者たちこそ守りたかったのだ」という台詞に集約されている。
名言・名シーンの宝庫であるヴァルキリープロファイルの中でも特に人気の高い1コマ。
|
最終更新:2013年12月29日 16:41