トランスフォーマー ザ・ヘッドマスターズの最終回


最後の地球大決戦
(後編)




メトロフレックス「総司令官。たった今ワシントンに、第3のデスタワーが出現したという報告が入りました」
フォートレス「思った通り、北半球にも!」
メトロフレックス「エアーボット部隊が急行しましたが、恐らく打つ手はないものと……」

フォートレスたちサイバトロン戦士が
地球に帰還したとき、
すでに第3のデスタワーが
ワシントンに出現していたのである。

クロームドーム「メガザラックの奴、姿も現さないで卑怯だぞ!」
フォートレス「第4の犠牲があるとすれば…… この辺りか」

フォートレスが地図上の地中海を示す。

ブランカー「もしかするとメガザラックが潜んでいる場所は、地中海の海底?」
クロームドーム「そう言えば、アテネ、リスボン沖と、デストロンの残党が現れた場所も集中しています」
ブランカー「それよりも、クリスマグネタルだ」
フォートレス「うむ、メガザラックの所在が見えてきたぞ」
ハードヘッド「どういうことですか?」
ハイブロウ「昔読んだ資料によると、古代都市レムリアは、インド洋に沈んだと伝えられているのさ」
クロームドーム「司令官!」
フォートレス「うむ、出動体制で待っていてくれ」

そこへ、スペースパンチからの通信が入る。

スペースパンチ『メガザラックはエジプトに向かっています』
フォートレス「エジプトに?」
スペースパンチ『はい。運良く、南米のサンジャゴからワシントンに向かう残党を捕まえて聞き出したんですが、すべてのデスタワーのエネルギー誘発ブースターは、メガザラックがセットするそうです』
フォートレス「エネルギー誘発ブースター…… 第4の目的地がエジプトなんだな?」
スペースパンチ『はい。メガザラックより先に、急いで下さい』
フォートレス「わかった、出発しよう」

フォートレスたちを乗せた戦艦マキシマスが離陸する。

ウィーリー「どこへ行くんだろう?」
ダニエル「出撃かなぁ…… 僕たち戦士なのに?」
ウィーリー「本当本当、置いてくことないよなぁ」
メトロフレックス「2人ともがっかりするな。負傷した科学者たちを病院に移したら、ちゃんと合流するんだから」
ウィーリー「本当に!?」
ダニエル「そうだよね! 病人を連れて行っちゃ、戦えないよね」
メトロフレックス「その通り!」


一方その頃、どこで嗅ぎつけたのか、
エジプトの熱砂の中を
シックスショットが捜索していた。

砂漠上に大穴を見つけたシックスショットが、ビークルモードからロボットモードへ変形する。

シックスショット「トランスフォーム! メガザラックが潜った跡…… まず間違いない」


一方で戦艦マキシマスは、アルプスの山々の合間を縫って飛行している。
デストロンのサウンドブラスターが、それを発見する。

サウンドブラスター「フォートレスだ。エジプトの方角…… 何か嗅ぎつけたな? こちらアルプス山脈のサウンドブラスター。聞こえるか?」


エジプトのピラミッド。
デストロンのエイプフェイスが応える。

エイプフェイス「感度良好、どうぞ」
サウンドブラスター『戦艦マキシマスが急行中。充分注意せよ』
エイプフェイス「了解、すぐ大帝に伝える」

シックスショット「睨んだ通り……!」


ハイブロウ「そろそろカイロの上空です」
フォートレス「うむ、周りに注意してくれ」
ハイブロウ「デスタワーらしきものは…… 見当たりませんね」

デストロン・ヘッドマスターズのウィアードウルフ、スカル、ワイプの3人が現れる。

ハードヘッドたち「見ろ、奴らだ!」「お出迎えはたった3人か」
クロームドーム「よし、生け捕りにしてデスタワーの秘密を吐かせてやる!」
ブランカー「奴らから姿を見せるとは、裏があるかもしれん。気を許すな!」

戦艦マキシマス上に降り立ったウィアードウルフたちを、クロームドームたちが迎え撃つ。

クロームドーム「お前たちだけで乗り込んで来るとは、大した度胸だ!」
スカル「だとよぉ。どうする、兄貴?」
ウィアードウルフ「笑わせるな! 新手のトリオフォーメーションを見せてやるわ!」
ワイプ「トリオフォーメーションて…… 何だ?」
ウィアードウルフ「俺が考えた撹乱戦法だ。耳を貸せ」
ハードヘッド「な、何だ?」
クロームドーム「……何か恐ろしい技があるのか?」
スカルたち「そんなぁ!?」「打合せなしのぶっつけ本番!?」
ウィアードウルフ「黙って急げ! トランスフォーム!」

3人がビーストモードに変形し、3段重ねの体勢をとる。

ウィアードウルフたち「どうだ!」「進めぇ!」
ハイブロウ「な、何だあれは?」
ワイプ「さすが兄貴だ! 奴ら怯えてるぜ!」
ウィアードウルフ「当たり前だ! 俺が寝ないで考えたんだからな」

そこへホラートロンのエイプフェイス、スナップドラゴンが飛来し、3人の上に積み重なる。

エイプフェイスたち「俺たちも加勢するぜ!」「トランスフォーム!」
ウィアードウルフたち「お、重いぃ!」「わぁっ!? 駄目だぁ!」
フォートレス「今だ!」

戦艦マキシマスが、一気に速度を上げる。
体勢を崩していたウィアードウルフたちが、反動で後ろへと吹き飛ばされて行く。

クロームドーム「参ったなぁ、俺たちまで飛ばされちゃうよ」
ウィアードウルフ「しがみつくなぁ!」
サーショット「はっはっは、ざまぁ見ろ! おっ、ピラミッドだ!」

マキシマス前方に、エジプトのピラミッド群がそびえている。

ブランカー「あのピラミッドの辺りですかねぇ?」
シックスショット「来たな、フォートレス」

砂漠の中に、デスタワーも見える。

フォートレス「まだ新しい。伸びきる前に、何とか処理しないと」
ブランカー「わかりました。お任せを」
フォートレス「頼むぞ!」
ウィアードウルフ「伸びきるまでの時間稼ぎだ、もう一度トリオフォーメーションをやるぞ!」
ワイプ「も、もういい、俺やめた!」


一方でメトロフレックスとダニエルたちは、スパイクと共に負傷者の救助にあたっている。

スパイクたち「急いで、急いで」「大丈夫ですよ、しっかりして下さい」

負傷者の中には、ダニエルの母カーリーもいる。

ダニエル「大丈夫かい、ママ?」
カーリー「大丈夫よ。お前がこんなに立派になって、ママ嬉しい……」
ダニエル「ママ……」
ウィーリー「ダニエル、総司令官からメトロフレックスに今、連絡が入ったんだ」
ダニエル「出撃かい?」
カーリー「私のことなら、もう心配しなくていいのよ…… 本当に」
ダニエル「でも……」
スパイク「ダニエル、ママのことなら私がついているから大丈夫だ。任務についたら、他のことに気を使うな」
ダニエル「……わかったよ、パパ。行こう、ウィーリー!」
ウィーリー「任しとけって!」
カーリー「気をつけるのよ、ダニエル……」
ダニエル「ママこそ、早く元気になってね」
ウィーリー「じゃ、行こうか!」
カーリー「頑張るのよ!」
スパイク「無茶するな!」


エジプト。
地底でスコルポノックの指揮のもと、クローントロンがデスタワーの操作にあたっている。

スコルポノック「ワハハハ、伸びが止まったか! これで4本すべて完了だ! ワハハハ!」
クローントロン「最後のエネルギー誘発ブースターを取り付けます」
スコルポノック「うむ。一度融合させたら取り外しは絶対に不可能。地球のエネルギーすべてを吸い上げてしますのだ。ワハハハ!」

デスタワーが作動し、地上高く伸びてゆく。

シックスショット「おぉっ……」
ブランカーたち「しまった!」「遅かったか……」

サソリ型巨大戦艦メガザラックが地上に出現する。
艦内にはメガザラックの本体、スコルポノックがいる。

シックスショット「姿を現したな…… メガザラック」
フォートレス「メガザラック、今からでも遅くはない! 計画を中止しろ!」
スコルポノック「寝言を言うな! すでに秒読みは開始された。あとはドッキングを待つだけだ! デストロン兵士、全員帰還しろ!」
デストロンたち「おぉ──っ!」
フォートレス「おのれ、逃がさん! トランスフォーム・ヘッドオン!」

戦艦マキシマスにフォートレス自らがヘッドオンし、巨大戦士フォートレスマキシマスとなる。

フォートレス「マスターソード! 行くぞ、メガザラック!」

デスタワーから降り注いだ破壊電磁波が、フォートレスを襲う。

フォートレス「うわぁっ!?」
スコルポノック「たわけ者めが! 今度の計画には貴様にも一役買ってもらわねばならん。死に急ぐな!」
フォートレス「私が一役買うだと……? 馬鹿も休み休み言え!」
スコルポノック「ではいずれ北極で会おう。ワハハハハ!」
フォートレス「北極? 待てぇ!」

メガザラックを追おうとするフォートレスマキシマスを、なおも電磁波が襲う。

フォートレス「ぐわぁぁっ!」
サイバトロンたち「司令官!」「司令官!」

フォートレスマキシマスが、地面に叩きつけられる。
メトロフレックスが駆けつける。

メトロフレックス「総司令官! 総司令官、しっかりして下さい!」


その頃メガザラックは、
インド洋上に差し掛かっていた。

海上を飛行するメガザラックを、シックスショットが尾行する。

シックスショット「奴め、北極に行くと言っておきながら、こんなところへ?」

メガザラックが海に潜る。
シックスショットも続くが、メガザラックは際限なく深く潜って行く。

シックスショット「一体どこまで潜るつもりだ?」

メガザラックの姿が、海底彼方に消える。

シックスショット「消えた?」

突如、海が大渦を巻き、シックスショットを巻き込んでいく。

シックスショット「うわぁぁ──っ!?」

気がついたとき、シックスショットは海底の大空洞の中にいる。

シックスショット「こ、ここは一体…… あれは?」

大空洞の中に、古代文明を思わせる遺跡群が立ち並んでいる。

シックスショット「レムリア……!」

遺跡の中から、スコルポノックと、彼の親衛隊のダブルトラップが現れる。

ダブルトラップ「あとわずかでクリスマグネタルが地球内部の四極を貫きます」
スコルポノック「うむ。ここまで来れば我が計画は成功したも同然。地球脱出の手筈も抜かりないな?」
ダブルトラップ「我が宇宙軍より抜きの戦艦が、Z銀河系から月に向かっております」
スコルポノック「……!? シックスショット!?」
シックスショット「その驚きは、拙者が突然現れたことの? それとも、意に反して生きていたことのですかな?」
スポルポノック「……し、しばらく会わん内に冗談がうまくなったな。頼もしいぞ、ワハハハ!」
シックスショット「大帝こそ、一段と口がうまくなられたようで」
スコルポノック「お、俺をからかうな。それより、一世一代の素晴らしい計画を見るがいい」

シックスショットが、遺跡内に招かれる。
そこには工場が築かれ、無数のクリスマグネタルが取り扱われている。

スコルポノック「これだ!」
シックスショット「おぉっ…… 伝説のクリスマグネタルがこんなにあったとは!」
スコルポノック「わずかなエネルギーとの融合で恐ろしい破壊電磁波を発生する、素晴しい金属だ」
シックスショット「地球の破壊は確実というわけですな?」
スコルポノック「そうだ! すべてはエネルギー集積衛星が地軸の延長線上に来たときに決する。ワハハハハ!」
シックスショット「一言別れの挨拶を言いに参っただけゆえ、これにて失礼」
スコルポノック「おのれぇ、秘密を見た上で裏切る気か!?」

スコルポノックが、銃撃を放つ。
だが銃撃は、シックスショットの体をすり抜ける。

スコルポノック「な……!?」
シックスショット「ハハハ、裏切り者はお主だ!」

宇宙忍者の十八番である分身の術により、シックスショットの姿が、無数に現れる。

シックスショット「さらば!」

シックスショットが消え去る。

スコルポノック「おのれぇ…… 地球諸共、奴ら全員吹き飛ばしてやる!」


果たして、各地のデスタワーは一段と激しくなり、
時を移さずして、
南極に5本目のデスタワーが出現した。
それは、地球をクモの巣の如く包囲し、
世界の人々を恐怖のどん底へ突き落として行った。
そして、何としても地球爆破を阻止せんと
決死の覚悟を決めたフォートレスは、
全軍を率い、北極に急行したのである。

ハイブロウ「北極で会おうといったメガザラックの言葉は、最後のデスタワーを指していたんだな」
クロームドーム「だろうな…… けど、司令官に一役買ってもらうなんて、ふざけたこと言いやがって!」
ヘッドマスターズたち「まったくだ!」「俺たちを嘗めてるぜ!」
フォートレス「或いは、何かの罠かもしれない。皆も充分注意をするように」
ブランカー「あっ、あれは!?」

デストロン全軍が、北極の氷上に立ち並ぶ。
メガザラックもヘッドオンし、巨大ロボットモードとなって待ち受けている。

ヘッドマスターズたち「司令官、奴らです!」「くそぉ…… メガザラックの奴、巨大化してやがる!」
フォートレス「先制攻撃は封じられたが、だがメガザラックは私が何としても封じる。爆破計画の鍵を必ず見つけてくれ」
ブランカー「わかりました」
ヘッドマスターズたち「絶対、計画を潰してやりますよ!」「クリスマグネタルだ!」

クリスマグネタルによるデスタワーが、地面に埋め込まれている。

ヘッドマスターズたち「伸びる気配もないし、放電も……」「どうやら、あいつが鍵らしいな」
ダニエル「いない…… ここにもシックスショットはいない」
ウィーリー「どっかに隠れてるんじゃないの?」
ダニエル「違うよ、もう戦わないつもりなんだ。シックスショットはもうデストロン軍じゃないんだ」
フォートレス「行くぞ、油断するな!」

メガザラック「合図があるまで暴れまくれ! 合図を忘れるなよ!」
デストロンたち「おぉ──っ!」

両軍の総力戦が開始される。
フォートレスの駆る戦艦マキシマスが、メガザラックに挑む。

フォートレス「覚悟ぉ!」
メガザラック「笑わせるな! ザラックシールド!」
フォートレス「エネルギー全開!」
メガザラック「ぐぅっ、おのれ! く、喰らえ! ザラックシールド・フルパワー!」

ブランカー「行くぞ!」

ブランカーたちとデストロンのスラッグスリンガーたち、ターゲットマスター同士の凄まじい射撃戦が繰り広げられる。

ワイプ「コウモリ雨漏り北極でもワイプ……」
クロームドーム「うっ、うぅっ……!」

ワイプの催眠術が、クロームドームたちを襲う。

ツインキャスト「ワイプに喰らいつけ!」
ワイプ「がぁっ!?」

ツインキャストの放ったカセットボット部隊がワイプを襲い、クロームドームたちの窮地を救う。

フォートレス「ビッグモード! おおぉ──っ!」

フォートレスが巨大戦士フォートレスマキシマスとなり、メガザラックに挑む。

メガザラック「慌てるな、まだ機が熟さんぞ!」
フォートレス「何、どういうことだ!?」
メガザラック「頭上に難有り、今にわかる」
フォートレス「頭上だと?」
メガザラック「馬鹿め!」

頭上に気を取られたフォートレスマキシマスに、メガザラックが一撃を見舞う。

フォートレス「うっ……!」
メガザラック「フハハハハ!」
ダニエル「卑怯だぞ!」
ウィーリー「メガザラック!」

ダニエルとウィーリーが、果敢にメガザラックを銃撃する。

メガザラック「おのれ、小僧ども!」
フォートレス「危ないっ!」

フォートレスマキシマスがとっさに、メガザラックを牽制する。

フォートレス「2人とも、下がっていなさい。おのれメガザラック、子供騙しの汚い手を!」
メガザラック「ウソでも子供騙しでもない。今にわかると言ったはずだ!」
フォートレス「その手は二度と食わん! 覚悟ぉ!」
ウィーリー「行けぇ!」

フォートレスを応援するダニエルたちの前に、ダブルトラップが現れる。

ウィーリー「ダ、ダニエル……」

絶体絶命のそのとき、どこからか放たれたビームが、ダブルトラップをかすめる。
すかさずプロテクトボットのガーディアンが飛来し、ダブルトラップを吹き飛ばす。

ウィーリー「た、助かったぜ。でも、今のビームは一体誰?」
ダニエル「……シックスショットだ!」
ウィーリー「シックスショットぉ?」
ダニエル「シックスショット──! どこにいるのぉ?」
シックスショットの声「来ては危ない! 戻るんだ!」
ダニエル「シックスショット、元気だったんだね? どこにいるの? 元気な顔見せてよ!」
シックスショットの声「会えば別れが辛くなる…… 違うかな? ダニエル」
ダニエル「シックスショット、僕はもう泣かない! 会って話がしたいんだ!」

シックスショットを捜し回るダニエルの前に、デストロンの合体兵士メナゾールが現れる。

ダニエル「わぁっ!?」

あわやというとき、風の如くシックスショットが現れ、メナゾールを吹き飛ばす。

ダニエル「シックスショット……!」
シックスショット「ダニエル、命だけは大切にな」
ダニエル「うん……」
シックスショット「それじゃ、元気で…… さらばだ!」
ダニエル「シックスショット──!」

シックスショットが飛び去る。ダニエルの下へ駆けて来るウィーリー。

ウィーリー「大丈夫かい、ダニエル? …… あ!?」

突如、地面が激しく震え始める。

メガザラック「よし、真上だ!」
フォートレス「何!?」
メガザラック「来い、フォートレス!」
フォートレス「よぉし、行くぞ! たぁ──っ!」

フォートレスマキシマスのマスターソードを、メガザラックがザラックシールドで受け止める。
激しい鍔迫り合いでスパークが飛び散り、それに呼応し、大気圏外でエネルギー集積衛星が作動する。
デスタワー目掛けて、破壊電磁波が降り注ぎ始める。

メガザラック「ワハハハ! 見たか、サイバトロン! 遂に地球の最期だ! さらばだ!」

メガザラックの頭部から、本体のスコルポノックが分離する。

スコルポノック「全員、引き上げだ!」
デストロンたち「おぉっ!」

スコルポノックが、メガザラックのボディを地上に残し、デストロンたちを引き連れ、空へと飛び去って行く。
フォートレスマキシマスは膨大な電磁波の中に捕われ、身動きできない。

クロームドーム「し、司令官!? 司令官を助けるぞ! ヘッドフォーメーションだ!」
ハードヘッドたち「おぉっ!」

クロームドームたちヘッドマスターズが空中でヘッドフォーメーションを組む。
ヘッドフォーメーションからエネルギーが放たれるが、破壊電磁波の前に阻まれてしまう。

フォートレス「ぐっ…… ぐぅっ……」
ダニエル「フォートレス……!?」

(シックスショット『ダニエル、サイバトロンには強い絆がある。皆で力を合せるんだ』)

ダニエル「そうだ…… 皆で力を合せれば!」
ウィーリー「えぇっ?」
ダニエル「ウィーリー、全員でパワーフォーメーションをしよう!」
ウィーリー「全員で!?」
ダニエル「そうさ。全員で力を合せてフォートレスを助けるんだ!」
ウィーリー「……よし、やろう! みんな、パワーフォーメーションだ!」
サイバトロンたち「おぉ──っ!」

クロームドームたちを取り囲み、サイバトロン全員が空中でフォーメーションを組む。

ダニエル「さぁ皆で、友情のパワーフォーメーションだ!」
クロームドーム「よぉし、行くぞ!」
全員「ファイナルフォーメーション!!」

サイバトロン全員のエネルギーが、フォートレスマキシマス目掛けて放たれる。
マスターソードに漲った膨大なエネルギーが上空へと伸び、大気圏外のエネルギー集積衛星を打ち砕く。
宇宙空間へ逃れたスコルポノックたちが、その様子に目を見張る。

デストロン「おぉっ……」
スコルポノック「馬鹿な……!?」

ダニエル「やったぁ!」
フォートレス「邪悪の根源ザラックシールド、いざ覚悟! おりゃあ──っっ!!」

フォートレスマキシマスがマスターソードを振るい、ザラックシールドとメガザラックのトランステクターを真っ二つにする。

大爆発──!


デストロンとサイバトロンの戦いは終わった。
地球、いや全宇宙を
征服しようと企んだメガザラックは、
最強の武器ザラックシールドを破壊され、
地球を去って行った。

そして今、サイバトロンも
地球を後にしようとしている。

ダニエル「クロームドーム…… 皆、本当に宇宙へ帰っちゃうの?」
クロームドーム「心配するな、ダニエル。今度こそ本当に平和が来る」
フォートレス「火星を始め、宇宙の復興など、まだやらなくてはならない仕事が、まだ我々にはたくさんあるんだ。ダニエル、また会おう」
クロームドーム「ダニエル、別れに涙は似合わないよ。さぁ、笑ってさよならをしようじゃないか」
ウィーリー「ダニエル…… 元気でな」

ダニエルが涙を拭う。

ダニエル「あぁ…… また来いよ、ウィーリー。地球に」
ウィーリー「あぁ、きっと来るよ!」
ダニエル「約束だぞ! 忘れんなよ!」
ウィーリー「忘れるもんかい!」

ダニエルとウィーリーが握手を交わす。

遂に戦艦マキシマスが地上を離れる。
スパイクとカーリーが大きく手を振る。
ダニエルがマキシマスを追って、駆け出す。

ダニエル「さよ──ならぁ──っ!!」


ダニエルの声のこだまする空を、サイバトロン戦士たちを乗せた戦艦マキシマスが飛び去って行く──


(終)

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最終更新:2014年07月11日 03:14