アウターゾーンの第115話

あらすじ 魔物ハンター草波龍志郎は植物状態になった妹の沙弥華を救うために、そうした犯人であるミザリィを倒そうとしていた。
しかし、実際にはミザリィに人体実験を邪魔された、ある「企業」がミザリィに復讐するために龍志郎を利用していたのだ。
捨て駒にされたところをミザリィに助けられた龍志郎は、「企業」を裏切るが、
沙弥華は「企業」の人体実験に使われようとしていた・・・

第115話 狙われたミザリィ⑤

龍志郎は、「企業」の会長秘書で沙弥華を植物状態にした張本人である黒沢に問い詰めていたが・・・
龍志郎「沙弥華はどこだ!?研究所の場所を言え!!」
黒沢「言うと思うか・・・?ハハハ・・・・」
龍志郎「何だと!?」
火牙「おい、ここで何してる!?」
ミザリィ達のいる病室に、
火牙刑事と彼の相棒である生きている人形のマキ、フリーライターの的矢が入ってきた。

それから、ミザリィ達は的矢の車に乗っていた。
火牙「本当に研究所の場所がわかるのか?」
的矢「ああ・・・車で30分ぐらいの郊外に連中の会社の建物がある。たぶんそこだよ」
龍志郎「あんたはどうして一緒に来るんだ?」
ミザリィ『だって私のお店を壊した仕返しをまだしてないもの・・・
やられた事は何倍にもして返さないと気がすまないのよ、私。フフフ・・・』

「企業」の研究所では、「企業」の会長が3人のゲストを招いて、
人体実験を始めようとしていた。
会長「皆さん、このガラスの向こうにあるのが、我々が作り出した商品です」
ガラスケースの中では、醜悪な姿をした虫がひしめいている。
会長「あの‘虫‘は人間の体に寄生して宿主を操り他の人間の肉を喰って成長します。
成虫になると他の体に卵を生む為頭を破って飛び出す・・・実は以前研究を何者かに邪魔された事がありましてな、それで皆さんへの公開が遅れた」
‘虫‘のケースがある方に、意識を失った沙弥華が運び込まれた。
ゲスト「何ですか、あの娘は?」
会長「あの‘虫‘が人間を喰う所をお見せする為ですよ」

火牙「ゲートだ!!ぶち破れ!!」
的矢達の乗る車は、ゲートを破り研究所に入った。
会長達の所で警報が響く。
会長「何があったのか!?」
警備員「何者かが車でゲートを破って侵入しました!!」
会長「そうか・・・特別警備班を出して始末しろ!!警察には知らせるな!」
ゲスト「何事だね?大丈夫なのか」「危険があるようなら我々は・・・」
会長「ネズミが紛れこんだだけですよ。心配なさらずに・・・・」
「それより実験の続きをしましょう。あの娘は我々の薬で今まで意識を失くさせていたので回復させます。こういう実験は意識がないと面白くありませんからなぁ」
首に注射され、沙弥華が目覚めた。
沙弥華「う・・・こ・・・ここは!?」

火牙達は、3人の特別警備班の銃撃に晒されていた。
火牙「くそっ、これじゃ出るに出られん!!」
ミザリィ『私にまかせなさい』
ミザリィは銃撃をものともせず、前に進む。
警備班「な・・・何だ!?タマをハネ返す、うぐっ!!」
警備班の一人がミザリィに首を掴まれる。
警備班「この化物め―」
警備班「「ぐわっ!」」
残る2人の警備班は、鋭角化したミザリィの髪に首を貫かれた。
警備班「ひ・・・」
ミザリィ『あんた達の親玉はどこにいるの?言わなきゃ死ぬより苦しい目にあわせるわよ』

‘虫‘の入ったケースが倒され、‘虫‘が出てきた。
沙弥華「きゃ―っ!!」
沙弥華を運んできた社員は部屋から出ていく。
沙弥華「あ・・・待って!!」
会長「あの娘は一か月以上も寝たきりだったんでろくに動けません」
ゲスト「なるほど、それは面白いですな」
‘虫‘が沙弥華へ近づいてくる
沙弥華「いやああ!!助けて!!!」


ミザリィと龍志郎は実験室へ向かっていた。
ミザリィ『実験室は向こうよ!』
的矢は写真を撮っていた。
火牙「何やってんだ、早く来い!!」
的矢「刑事さん!ちょっと寄り道したいんだが護衛してくれ!!」
火牙「何だ!?」
マキ「何よ!?」
的矢「あそこに入ってみたいんだが」
的矢が入ろうとしているのは、資料室だった。

その頃、龍志郎に斬られた黒沢が車で研究所に来ていた。
黒沢「はぁ、はぁ・・・俺にとどめを刺さなかったことを後悔させてやる・・・」


沙弥華の脚に‘虫‘が纏わりつきだした。
沙弥華「きゃああ!お兄ちゃん助けてぇ!!」
その時、会長達の部屋のドアが破られた。
会長「う!?」
ミザリィと龍志郎が入ってきたのだ。
会長「こ・・・ここまでたどり着くとは・・・!!」
ゲスト「「「ヒーッ!!」」」
ゲスト達は逃げ出した。
龍志郎「沙弥華!!」
沙弥華「お兄ちゃん!!」
龍志郎はガラスを破って、沙弥華の方へ行った。
龍志郎「沙弥華!!」
沙弥華「お兄ちゃん!!この虫取って!!」
龍志郎は沙弥華に付いていた‘虫‘の一匹を握り潰す。
龍志郎「くそ・・・よくも沙弥華をこんな目に・・・!!」
ミザリィ『待ちなさい!復讐よりもその子を病院に連れていく方が先なんじゃない?』
龍志郎「そ・・・そうだな!」
龍志郎は沙弥華を抱きかかえて、部屋から出て行った。
龍志郎「あんたはどうする!?」
ミザリィ『私はあの男にちょっと用があるから先に行ってて・・・』
会長「う・・・!!ま・・・待て!!金なら欲しいだけやる!!話し合おう!!」
ミザリィは何も言わず、会長をガラスの向こうへ押し出した。
会長「わっ、うわぁ!」
向こう側の部屋に転げ落ちた会長に、‘虫‘が近寄ってくる。
会長「ひっ!!うぎゃあ!!!」
会長は、自分が説明した様に‘虫‘に頭を喰い破られた。
ミザリィ『フフフ・・・』
しかし、ミザリィは不意打ちの火炎放射を受け、全身が炎に包まれた。
黒沢「ハハハ!!燃えろ!!灰になれ!!」
ミザリィ『・・・・・』
ミザリィは服が燃え、全裸になりながらも立ち上がる。
黒沢「か・・・体が燃えてるのに・・・!!」
ミザリィの隠されていた左目が現れ、輝きだし――
黒沢「わあっ!!」
研究所が爆発を起こした。

龍志郎や火牙達は、既に研究所から脱出していた。
龍志郎・火牙・的矢「「「ミザリィ!!」」」

それから二週間後、龍志郎達は、黒沢に破壊された「美沙里」の焼け跡に集まっていた。
火牙「あれからもう二週間か・・・ミザリィは姿を消したきりだな」
龍志郎「ああ・・・この店もこのままだし・・・研究所の爆発で死んだのかな?」
沙弥華「そんなぁ・・・!!」
マキ「水晶の探知機でも探せないの?」
龍志郎「ああ・・・何の反応もない」
的場「あいつは殺しても死ぬ様な女じゃないよ」
火牙「的矢!」

マキ「見たわよ、昨日出た週刊誌!あの研究所で写真を撮ったり資料を盗んだりしたかいがあったわね」
火牙の持つ週刊誌の記事は、「企業」の人体実験について書かれた物だった。
火牙「これであの会社も終わりだな!あんたも一流記者の仲間入りって事か?」
的矢「ああ俺の長年の夢がかなったよ、これもミザリィのおかげかもな」
沙弥華「その人ってもう私達の前に姿を現さない気かしら、お兄ちゃん?」
龍志郎「さあぁ、ひと言あやまりたかったんだが・・・あの女には悪い事をした」
的矢「な―に、そのうち何くわぬ顔をして、ひょっこりどこかに現れるさ」
「そういう女だよ、ミザリィって奴は・・・」


(つづく)

この続きは、本家エンディングドットコム『アウターゾーンの最終回』をご覧下さい。



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最終更新:2016年01月25日 21:00