たこやきプリンセスの第1話

第1話 でんせつのたこやきバトルスタート!

東京—-・・・
少女が、ある店を探していた。
少女「うーーーん、このへんのハズなんやけどなァ」
女性客「ちょっとぉ—-、早くしてよ!さっきから30分もまってるのに!!」
店員「す・・・すみません」
女性客「これでまずかったら、代金返してもらうからな!」
少女「みつけた、アレや」
少女が、その店、「ひめたこ東京店」の中に入る。
店員「!?」
少女「あかんよ、そんな手つきじゃ。たこやきはな、はしっこをまきこむよーにして返すんや」
店員「!!」
少女「はい、おもちっ」
少女が焼いたたこ焼きを、女性客と店員が食べた。
女性客「!!、かむと口中にあつあつトロトロのうまみがひろがっていくわー--」
店員「体のしんからウキウキポカポカ!!それにたこの歯ごたえ!!おどりたくなります~~~~~!!」
女性客「すごい!こんなたこやき食べたことないわ—--ッ」
店員「あなたはいったい・・・!」
あかり「ウチは道之辺あかり!!大阪の「ひめたこ」本店から修行に来たんや」

あかり「大阪道頓堀「ひめたこ」本店!!その味でいつも行列の人気店や!!
これはウチのオトンや!!ひめたこグループの社長や!!」
父「うむ!!味・固さ・問題なし!!合格や!!売り上げがおちている東京店はまかせる!しっかりやれ!!」
あかり「よっしゃあッ」
(東京は日本でいっちゃんでっかい町や!そこで少しでもぎょうさんの人にウチのたこやき食うてもらうんがウチの夢やったんや!!)

あかり「っつーわけで今日から世話んなるでっ」
店員「はあ・・・・でも・・・せっかくだけど、ここではムリですよ」
あかり「なんでや?」
店員「見てください。道路の向かいの中華料理店「万里」を」
あかり「すごいお客や、「ひめたこ本店」より多い!!」

客「やっとかえた!」
「おいしいねっ」
「万里」の行列に並んでいた客は、みんな肉まんを食べていた。
あかり「なっ、なんや!?みんな肉まん食っとる!?」
店員「はい、あれは全国の料理コンテストで優勝した肉まんなんです」
「あの肉まんのせいで、たこやきなんて見向きもされないんです」
あかり「なるほどな」
(肉まんか・・・なかなかてごわいかもしれんな・・・!!)

翌日
あかり「にょわー!!」
「やばいやばい、ねすごしてもた。転校初日にチコクて、ありえへん」
「門までまわってられんっ」
あかりが柵を跳び越えたが、その下には男の学生がいた。
あかり(男の子!?)
男の子「うおっ」
あかり「にょわっ」
あかりと男の子がぶつかった。
男の子「----大丈夫か?」
あかり「いててて、うん、おおきに、かんにんや」
男の子「おまえ・・・あかりか?」
あかり「え?」
男の子「やっぱり!そのたこやき頭!!」
あかり「???、な、なんや、あんた」
行成「覚えてないか?行成だ、斉木行成」
あかり「行成?思い出した—--っっ、ウチのたこやき食いすぎて体重50キロオーバーした行成!」
行成「あまりにカッコよくてわかんなかっただろ」
あかり「うんうん!行成、小4の時、東京ひっこしたもんなァ、ここの学校やったんやなァ」
行成「おまえがいるなら、「ひめたこ」東京店行ってやるよ。おまえのやいたたこやきが食いたいんだ」
あかり「うんっ、来たってや!」
女生徒「行成!」
行成「メイ!」
メイ「行成、そこの子誰?」
行成「こいつはあかり。オレの幼なじみ、「ひめたこ」のかんばん娘だよ」
メイ「---ああ、「ひめたこ」の」
行成「あかり、彼女は生徒会が一緒の万里メイ。中華料理店「万里」をやってる」
あかり「「万里」って・・・・・!肉まんの!そっか!ライバル店やけどよろしゅうなっ!」
行成「あかりのやいたたこやきはうまいぜ。うかうかしてると「万里」もヤバいかもな」
メイ「そんなわけないでしょ!行きましょ!」
メイは、行成を連れて行く。
行成「あかり!あとでな!」
メイ「行成!」
あかり「なんやアレ、東京もんはつめたいの—-」

あかりは自分のクラスに入った。
クラスメイト「へ—-、大阪から来たんだ!」
あかり「「ひめたこ」って知っとるか?ウチそこのモンでな」
クラスメイト「「ひめたこ」?」
「え・・・知らない」
「「万里」のとなりのアレ?」
「あたし、まだ食べたことないや」
メイ「ぷっ」
行成「生徒会からの連絡があるぞ。すわれ!」
あかり(うーーん、よわったな。こないに「ひめたこ」が知られてへんとは・・・・どないしたもんか・・・・)
行成「え—-実は「食堂のメニュー」をひとつふやすことになった」
あかり(食堂のメニューをふやす!?)
行成「予算はスナック系の軽食に限られるんだが—--・・・オレは「ひめたこ」のたこやきか、「万里」の肉まんをメニューにしたい」
あかり「ゆ・・・行成!!!」
メイ「なッ、ダメよ!!今日来たばっかの子のたこやきとうちの肉まんを一緒にするなんて—--」
クラスメイト「「ひめたこ」っておいしいの!?」
行成「うまいぜ!いくつでも食えちまうんだ!」
女子たち「「「行成くんが言うなら食べてみた—--い♡」
男子「でもオレは「万里」の肉まんがいい!!」
女子「知らないたこやき、メニューにされてもねぇ・・・」
メイ「そうよ・・・たこやきなんて小麦粉にたこを入れただけのお遊び料理じゃない!行成はそんなのがいいっていうの!?」
あかり「今・・・なんてゆうた?ウチのこと悪く言うのはかまへん。けど、ウチのたこやきを悪く言うのは許さん!!!」
メイ「な・・・な・・・」
行成「じゃあ、こういうのはどうだ?たこやきと肉まん、どっちがうまいか、全校生徒にうきめてもらうっていうのは」
あかり「勝ったほうがメニューになるってことやな」
メイ「・・・いいわね。それでやりましょ。でも、それだけじゃつまんないわ。負けたほうは店をたたむってのはどお?」
あかり「かまへん」
行成「あかり!!」
あかり「その勝負うけたる!!」
メイ「きまりね」
「勝負は来週土曜!体育館にて・・・・!!」

店員「ええ—-ッ、あかりさん、そんな勝負うけちゃったんですかぁ—--!?」
あかり「おう」
店員「次の仕事さがしとかなきゃ・・・・」
行成「・・・オレがいうのもナンだけださ、あかりバカか?」
あかち「---行成はウチが負ける思っとるんか?」
行成「いや?けどな、「万里」の肉まん、アレはメイが生み出したモノなんだ」
あかり「あいつ、やっぱりただモンちゃうかったか!」
店員「そんな人にホレられてる行成さんスゴイ!」
行成「まあな」
女性客「キャーーー、あの人かっこいい—--♡」
あかり(ウチは・・・勝てるんやろか・・・)

回想。泣いている幼いあかりに、父がたこやきを出した。
父「・・・かり、あかり!あかり!何ないてんねん、ホラこれ食え!」

あかり(---イヤなことがあっても、オトンのたこやき食うたら元気になれた)
(たこやきには人生を明るくする力があるんや・・・みんなにもきっとそれがわかるハズや!!信じてガンバるんや—--!!)

土曜、対決の当日。
行成「では今からたこやきvs肉まんの対決をはじめる。まずは—--・・・「ひめたこ」の道野辺あかり!」
あかり「はい、おまちっ」

生徒たち「これ・・・が?」
「小さいね」
「いただきます」
生徒たちがあかりのたこやきを食べた。
生徒たち「!!、かむと口中にあつ—-いトロトロの海がひろがってくみた—-い」
「あっあっ、トロトロの海にしずんでく—--」
「かつおとこんぶのだしで海のミネラルたっぷりだ」
「あっ、たこだ」「おっきいたこ!」
「すごい歯ごたえ—-っ、体がはずむ—っ」
「たこやきおかわり-!!」「オレも!」
あかり「まいど—--ーっっ」

行成「あかり、このトロみはなんなんだ?」
あかり「行成にだけ教えたるわっ、ナイショやでっ。このトロトロはな、「長いも」や!小麦粉・卵・かつおだし・水に長いもをすりおろして入れるだけや」

メイ「ふうん、結構やるようね。次は私の番ね、吃飯(チーファン・さあめしあがれ)!」
生徒たち「「「いただきま—すっ」」」
生徒たちが、メイの肉まんを食べた。
生徒たち「おいし~~~~~~~」
「たこやきとは、ちがったあたたかさがあるぅぅ—-」
「このカンジはほしたてのおふとんだ~~~~」
「ふかふかの皮から肉汁がじわったふろがってく—--ー・・・ぬくぬくしあわせ—-」

生徒「あ—-っ、なやむ—-っっ」

行成「それでは!結果発表!!」

肉まん150 たこやき150

行成「同点!!」
あかり「どっ、同点」
メイ(ど・・・同点ですって!?たこやきごときに同点・・・!?)
「ゆるせない・・・っ、こうなったら・・・・っ・・・・もう一度勝負よ!!」
あかり「おう!今度は絶対負けへん!!」
メイ「次はただの勝負じゃないわ、今度はスイート対決!!」
あかり「スイーツ!?」
メイ「そう、ルールはカンタン。形は肉まん・たこやきのまま、あま~~~いスイーツにすること」
あかり「おもろそーや!やったろ!」
行成「あかり!」
あかり「だいじょうぶや!スイーツやろうがウエンツだろうが、ウチのたこやきは負けへん!」

メイ「・・・・それはどうかしら、たこやきには致命的な欠点があるっていうのに—--・・・」


あかり「よし!たこやきスイーツ第1号完成☆なっ食ってみて!」
行成「いただきます」
行成と店員が、あかりの試作したたこやきスイーツを食べてみたが・・・
店員「ま・ま・まっずう—-!!」
行成「あかり—-!何入れた—--!!」
あかり「たこやき生地ん中にチョコとあんこを入れてみてんけど」
行成「食え!」
あかり「ムガ—--!!ぐあああ、まず—-!!生地と具が全然あってへん—-っっ」
行成「まずはテメーで食えよ・・・」

あかり「冬やし、ミカンはどや?」
行成「果汁がベトベトでよりひどい」
あかり「じゃ、ソースのかわりに生クリーム!」
店員「も、もうカンベンしてください」
あかり(あかん・・・どんな食材と生地をあわせてもうまくいかん・・・!!)
(どないしたらええねん!?)


行成「よォ、あかりいるか?」
行成が入ってきたら、あかりは、失敗作の山の前に沈んでいた。
行成「うわああッ」
あかり「よ・・・よォ、も、行成。もうじきうまいたこやきスイーツできるさかいな・・・」
行成「うそつけ!!」
店員「あかりさん・・・万里メイはこのこと知ってたんじゃないですか?肉まんはスイーツとしてあんまんとかたくさんありますし・・・」
行成「たこやきでスイーツはきいたことねぇしな」
店員「あかりさん・・・もうあきらめましょう」
あかり「イヤや!!」
店員「でも勝負は明日ですよ!?」
あかり(イヤや、あきらめたくない!!けど、どないしたらええかわからへん・・・!!)
行成「あかり、ちょっと来い!」
あかり(え!?)
行成は、あかりをケーキ屋に連れて行った。
あかり(ケーキ屋!?)
ウェイトレス「ご注文は」
行成「ここのケーキ全部」
あかり「ゆ、行成!ウチ金もってへんで!?」
行成「オレのおごり。ちょっと気分てんかんしろよ」
「まったくたこやきのことになると、まわり見えなくなるんだから、ま・・・そこがいいんだけど」
あかり(行成・・・)
ウェイトレス「おまたせしました」
あかりの前に、たくさんのケーキが運ばれてきた。
あかり(うおおおっ)「うまそーっっ。いただきまーっす」
行成「お—-」
あかり「ん?こ・・・このケーキ・・・・!!」
行成「え?」
あかり「そうか・・・これなら!!」
行成「あかり?」
あかり「おおきに、行成!!これでたこやきスイーツができるかもしれん!!」

そしてスイーツ対決の日—-・・・

行成「それでは、たこやきvs肉まん第2回戦を行う!はじめ!!」

あかり「よーーし、やったるで--!」
メイ(アレは小麦粉?まさかフツーのたこやきをつくるつもり?バカじゃないの!?)
(この勝負もらったわ)

行成「のこり1分!!」
あかり「わーーーっ、ちょおまって—-」
メイ(プーーッ、ホントにただのたこやきをつくってる—--!)
「たわいなさすぎよ—-ッ、歴史ある点心にたこやきごときが勝てると思ったの—--!?」
「さあ!私を選んで!!」
先に完成したメイのスイーツまんを生徒たちが食べる。
生徒たち「おいしーっ、やっぱり「万里」の肉まんはスイーツになってもいいね!」
「あん、あん、チョコまん、カスタードまん」
「けど」
メイ「!?」
生徒たと「なんだろ、このにおい」
「こっちからあまーいにおいがするぅぅーー」
「あ—-ッ、だめだーーっ、がまんできないーーーーっっ」
生徒たちが調理途中のあかりの方に向かった。
メイ「なッ」
あかり「よしっ、これで完成や!」
「これがウチのたこやきふうスイーツや!!」
メイ「なんなのこれ、フツーのたこやきに見えるのに・・・このかおり・・・」

生徒たち「「「いただきまあっす」」」
「おいひ—っっ」
「バターのふうみが口中にひろがってく~~~」
「この味は・・・これは」
「「「ホットケーキだ!!」」」
あかり「そう!たこやき器でホットケーキをやいてみたんや!」
メイ「ホットケーキですって!?」
生徒たち「それだけじゃない!中にイチゴが入ってる—---!!」
「バナナも発見—--!もっとさがせーっっ」
「こっちはパイナップル♡」
「小さいからいろんな味がたのしめるよ—--!!」
メイ「私がただのたこやきだと思ったのは・・・」
あかり「タネの小麦粉はかわらんからね、それにベーキングパウダー・さとう・卵・牛乳・バターを加えてゆくだけや」

市販のホットケーキミックスでもカンタンにつくれるよ!

行成「たこやき器であんなスイーツを生み出すなんて・・・すごいなあかり・・・」
メイ「負けた・・・わ」
膝を付いたメイに、あかりが手を差しだした。
メイ「あかりさん・・・」
あかり「メイと勝負せんかったら新しいたこやきなんか思いつかんかった!たのしかったわ!これからもライバルとして戦ってこーなっっ!!」
メイ「---ええ」

その後

食堂で、あかり達のたこやきは大盛況だった。
あかり「今日は100食分やくで—---!自分も来たってな!」
店員「新しいバイトやとってくださいよ—--、あかりさーん」

(つづく)

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最終更新:2017年03月25日 23:36