干物妹!うまるちゃんの第1話

兄「僕の妹、うまる(16)は、美人で評判だ。
優しくて頭も良く、あらゆる才能に恵まれている非のうちどころのない美人女子高生。
老若男女に好かれる完璧な妹だ。・・・と、みんな思ってるらしい」

その1 うまるとお兄ちゃん

うまるが自分の家に帰るなり、体が縮んだ。

タイヘイ「ただいまー」
「・・・・・・・」
兄のタイヘイが帰った時、
うまるは、フード付きのスーツを着て、ポテチの袋を抱えて、寝ていた。

タイヘイ(これが家にいる時のうまる。グータラな干物の妹。干物妹(ひもうと)だ。

夜になっても、うまるは全力でだらけていた。
タイヘイ「・・・おい、うまる。パソコンばっかしてないで、夕飯食べろって!なんてかっこうしてんだ」
うまる「んー?ごはんー?うまる、まとめサイトの巡回で忙しいからお兄ちゃん食べさせて」
タイヘイ「起きろ!!」

うまる「このチャーハン冷めてるーーー」
タイヘイ「お前が早く食べないからだ」
うまる「火曜はパンの日って決まってるじゃん」
タイヘイ「今日、月曜だろ」
うまる「あー。月曜かー・・・どうりで学校がダル・・・
「げつよう、ビエ!?」
うまるがチャーハンを食べていた所を急に叫び、噴き出したご飯がタイヘイの顔にかかる。
タイヘイ「ぶはぁ!?おま・・・!!何すんだよ!!」
うまる「今日、ジャンプーの発売日だった。ジャンピースがめちゃめちゃいい所で終わってるの!!お願い、お兄ちゃん。コンビニで買ってきて!!」
タイヘイ「やだよ、仕事で疲れてるんだぞ、こっちは」
うまる「なーんーでー!!!」
タイヘイ「明日の朝、買えばいいだろ!!」
うまる「朝なんかにうまるが買いに行ったら、見られちゃうじゃん!!」
「うまるは学校じゃ「マンガは家で禁止されてて、ジャンピースはよくわかんなくて・・・あ、でもこのトナカイのキャラクター可愛い♡」って設定なの!!」
タイヘイ(めんどくせぇぇー!!)
「なんでそんな設定してんだよ!!」
うまる「うまるだって、色々ひっこみがつかないんだよ」
「うまるの知らない所で噂がでっかくなってさー、家では書庫で詩集読んでる事になってるし」
タイヘイ「うち1LDKなんだけど!!とにかくダメだ!!明日まで我慢しろ!!」
うまるが頬を膨らませるがタイヘイは目を合わせない。
するとうまるは、勢いづけてその場を転がり出した。
うまる「やだやだやだやだ、今日見たい-!!」
タイヘイ(何ィィーーー!?)
(16歳の妹が「マンガが読みたい」って転がっている・・・これはマズイ!!
俺の責任だ・・・!うまるが家にやってきて1年・・・どんどんグータラでわがままになっている!!このままでは、社会に適応できない大人になってしまう!!)
うまるは、転がるのを止めて、布団にくるまった。
うまる「・・・・・」
(・・・アレ?いつもなら、これくらい言う事聞いてくれんのに・・・ダダッ子方面は効果うすくなってきたかな?)
「お願い、お兄ちゃん♡」
タイヘイ「ダメだ」
うまるは、外での姿、いわゆる外面フェイスでお願いしたが、タイヘイはきっぱりと断った。
うまる「読みたい読みたい読みたい読みたい、読みたぁーい!!!」
「お兄ちゃん買ってきてぇー!!」
タイヘイ(う・・・うるっさ~~~)
うまる「うまるの一生のお願いだからぁーーー!!後生うまるだからー!!」
タイヘイ「だぁーーっ!!わかったよ!!近所迷惑だから黙れ!!」

タイヘイはジャンプーを買ってきた。
タイヘイ「ほら、買ってきたぞ。良いか?今日は特別だけど・・・お前はもう少しガマンする事を・・・」
うまる「・・・・・ごめん・・・お兄ちゃん・・・」
「今いい所でちょっと静かにして。っていうか、どうせコンビニ行くならポテチの1つでも買ってきてよーー」
タイヘイ「おまっ・・・!!いいかげんにしろーーー!!」

次の日。うまるの学校にて。
クラスメイト「あれ!?うまるちゃん!?目の下赤いけどどうしたの!?」
うまる「うん・・・お兄ちゃんとケンカしちゃって・・・大丈夫だから気にしないで」
クラスメイトたち(気になる!!)
(一体何が!!)
(とんでもない兄貴だ!!)

とんでもない干物妹だ


つづく

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最終更新:2017年03月26日 00:18